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ソニーが「最速」のSPAD距離センサー開発、自動運転L3以上へ:垂直方向の検知精度は2.7倍に(2/2 ページ)
ソニーセミコンダクタソリューションズが、520dToF画素でフレームレートが20フレーム/秒(fps)と「最速」(同社)の車載LiDAR向け1型 積層型dToF方式SPAD距離センサーを開発した。高解像度と高速性を両立する独自のデバイス構造によって実現。2025年秋に量産予定だ。
距離分解能を5cm間隔に向上
今回、距離分解能を高めるために開発した独自回路は、各SPAD画素のデータを個別に処理し距離を算出するもので、これによってLiDARの距離分解能を5cm間隔まで向上した。
また、画素における光の入射面と底面に凹凸を設け、さらにレンズ形状を最適化。射光を回折させて吸収率を高めることで、940nmの波長に対して37%の高い光子検出効率を実現した。これによって10万lux以上の高照度の背景光環境においても、最長300m先にある対象物を高精度に検知/認識可能だという。
ソニーセミコンはIMX479を搭載したメカニカルスキャン方式のLiDARを評価用に開発。顧客やパートナーに向けて提供する。
型名 | IMX479 | |
---|---|---|
有効SPAD画素数 | 105 × 1560 約16万4000画素 | |
垂直方向有効dToF画素数 | 520dToF画素 | |
イメージサイズ | 対角15.8mm(1型) | |
推奨光源波長 | 940nm | |
SPADユニットセルサイズ | 10.08 × 10.08μm | |
エレメントサイズ(dToF画素単位) | 最小3 × 3 | |
光子検出効率 | 37%(940nm波長) | |
応答速度 | 約6ナノ秒 | |
電源電圧 | SPAD降伏電圧 | -20.5V |
SPAD過剰電圧 | 3.3V | |
アナログ | 3.3V | |
デジタル | 1.125V | |
インタフェース | 1.8V | |
インタフェース | MIPI CSI-2 シリアル出力(4lane) | |
チップサイズ | 12.2×20.0mm | |
最大検知距離 | 300m | |
300m測距時の距離精度 | 最小5cm相当 |
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