脳波計に「ポーカーフェース」は通用するか? 新時代の心理戦:電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記
「JPCA Show 2025」で、AI/ニューロテックスタートアップのアラヤがユニークな展示を行っていました。
この記事は、2025年6月23日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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脳波計に「ポーカーフェース」は通用するか? 新時代の心理戦
先日、「JPCA Show 2025」に行ってきました。センサーや電子回路/実装技術など、興味深い展示が多数ありました。
中でもユニークだったのは、AI/ニューロテックスタートアップのアラヤです。画像認識AIと脳波計を組み合わせたカプセルトイ「無心Gαchα(ガチャ)」の展示や脳波計を着けてゲームを行う「脳波ゲーム体験」を行っていました。
「無心」になるとアイテムがもらえるカプセルトイ
オンラインゲームなどでランダムアイテムを購入する、いわゆる「ガチャ」をしたことはあるでしょうか。ガチャに関してゲーム好きの間ではよく「『あれが欲しい』と強く思っているとかえってそれが出ない」「無心で回すと良いアイテムが手に入る」といった傾向が語られます。もちろんそのような仕組みはないはずですが、目当てのアイテムがなかなか手に入らないもどかしさからの言葉でしょう。
無心Gαchαはそれを現実のものにする、「無心になるとアイテムが得られる」カプセルトイです。筐体の前で脳波計を装着し、両手を組んで祈るようなポーズを取ると、脳波計でα波を測定、画像認識AIでお祈りの姿勢を検出し、その両方が一定の水準に達したときにカプセルが出てきます。α波の割合はリラックス時に高くなるので、それによって「無心」を判定する仕組みです。
筐体の操作にはシングルボードコンピュータ(SBC)「Raspberry Pi 5」が、お祈りの姿勢を検出する画像認識AIにはエッジAIプロセッサ「Hailo-8」が使われています。SNSなどで語られる冗談交じりの経験則を技術のある企業が実際に再現してしまうという面白い取り組みでした。
脳波で手札を読み合うババ抜きも
そして、同じくアラヤのブースで多くの来場者が足を止めて注目していたのが脳波ゲーム体験コーナー。脳波の変化に合わせて照明の色が変化するアラヤの製品「Colors」を用いたものです。
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