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生活家電機器向け1600V耐圧IGBT、STが発表BOMコストと消費電力を抑える

STマイクロエレクトロニクスは、高い熱効率を備えた定格電圧1600V、定格電流30AのIGBT「STGWA30IH160DF2」を発表した。BOMコストの削減や低消費電力が求められるIH加熱器/調理器、電子レンジ、炊飯器といった生活家電製品に向ける。

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TGFS技術を適用し、高い降伏電圧と低い飽和電圧を実現

 STマイクロエレクトロニクスは2025年7月、高い熱効率を備えた定格電圧1600V、定格電流30AのIGBT「STGWA30IH160DF2」を発表した。BOMコストの削減や低消費電力が求められるIH加熱器/調理器、電子レンジ、炊飯器といった生活家電製品に向ける。

 STGWA30IH160DF2は、トレンチゲートフィールドストップ(TGFS)技術を適用した。これによってより高い降伏電圧と低い飽和電圧(VCE(sat))、低い熱抵抗、175℃の最大接合部温度といった特長を実現した。

 例えば、VCE(sat)は1.77Vで、テール電流を最小限に抑えてターンオフ電力を削減した。また、降伏電圧は1600Vで、大きな電圧サージや電圧スパイクにも対応できる耐性を備えた。さらに、低い熱抵抗によって高い放熱効率を実現するとともに、175℃という最大接合部温度を達成したことで過酷な環境での耐久性を高めた。

 コスト効率や設計の自由度にも優れている。高い降伏電圧と熱効率を実現したことで、外付けしていた保護用部品を削減できる。高出力が必要なシステムでは、複数のIGBTを並列接続して用いることも可能となった。

 これらの特長から、16k〜60kHzの幅広いスイッチング周波数範囲で、高効率のシングルスイッチ疑似共振コンバーターを実現できるという。

 STGWA30IH160DF2は既に量産中で、TO-247ロングリードパッケージで供給する。1000個購入時の単価は約1.98米ドルである。


STGWA30IH160DF2を応用した機器のイメージ[クリックで拡大] 出所:ST

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