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ルネサス、Transphorm買収後初のGaN新製品を発売 AIデータセンター向け:ダイサイズを14%縮小(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは、650V耐圧の窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の新製品を発表した。2024年6月にTransphormを買収して以来初めての新製品だ。
1200V耐圧品も「事業化できると判断すれば、すぐに製品化」
新製品は650V耐圧、オン抵抗は30mΩ。1.5k〜10kWクラスのハイパワー用途向けで、具体的にはAIデータセンターや無停電電源装置、ソーラーインバーターンなどを想定する。パッケージは表面実装型のTOLT/TOLLのほか、挿入実装型のT247を用意。TO247-4Lも開発中だ。
新たなプロセスである第4世代プラスは、SuperGaN技術を活用。現行の第4世代と比べて、オン抵抗は35mΩから30mΩに低減したにもかかわらず、ダイサイズを14%縮小している。さらに、オン抵抗と出力容量の積に基づく性能指数(FOM)は20%以上向上した。
なお、Transphormはルネサスによる買収前に1200V耐圧のGaNパワーデバイスについて学会発表を行っていて、10kW以上の電力変換のデモンストレーションも完了しているという。コストの問題からまだ製品化していないが、細田氏は「仮に顧客から特定のアプリケーションで使いたいという要望があり、事業化できると判断すれば、すぐに製品化できる体制を整えている」と説明した。
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