SK hynixの四半期業績、売上高と営業利益が過去最高を更新:福田昭のストレージ通信(282)(2/2 ページ)
今回は、SK hynixの2025年度第2四半期(2025年4月〜6月期)の業績を解説する。
DRAMはグラフィックス向け、NANDフラッシュはUSBメモリ向けの比率が上昇
SK hynixの主力製品はDRAMとNANDフラッシュメモリである。2025年度第2四半期(2025年4月〜6月期)の売上高に占めるDRAMの割合は前期比3ポイント減の77%、NANDフラッシュメモリの割合は同3ポイント増の21%となった。金額そのものは両者とも前期比で増加した。
DRAMの平均販売価格は前期比で2〜3%前後(low single digit)上昇し、ビット換算出荷量は前期比で25%前後(mid-20%)伸ばした。NANDフラッシュメモリの平均販売価格は前期比で7〜8%前後(high single digit)下降し、ビット換算出荷量は前期比で70%を超える大きな伸びとなった。
製品別のハイライトはHBM、DRAM、NANDフラッシュメモリに分けて説明した。HBM(超高速DRAMモジュール)は通年売上高を前年の2倍に拡大する計画を維持する。また2025年3月には「HBM4」のサンプル出荷を始めた。
DRAMでは、最新世代の販売を需要に合わせて伸ばしている。ピン当たりのデータ転送速度が8000Mbit/秒を超えるDDR5のサーバ向けモジュール、スマートフォンのフラグシップモデル向けLPDDR5X品、中国市場向けLPDDR4X品などだ。また2025年内には、サーバ向けLPDDRモジュールと24GbitのGDDR7品の供給を始める。
NANDフラッシュメモリでは、QLCベースのエンタープライズ向けSSD(eSSD)で記憶容量が120Tバイトを超える製品の販売を第2四半期に始めた。321層の超高層NANDフラッシュメモリをベースとするコンシューマー向けSSD(cSSD)とeSSDの出荷は、2025年内を予定する。
(次回に続く)
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