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中国でも存在感が強まるRISC-V アカデミアと企業が融合北京/杭州/上海が拠点に(2/2 ページ)

世界中でRISC-Vの存在感が拡大する中、その開発/導入において中国が重要な勢力として台頭している。中国では北京/杭州/上海が主要な拠点となっている。

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杭州では高性能プロセッサが登場 上海には企業拠点も

 Alibabaの研究開発部門であるDamo Academyは、杭州に拠点を置いている。AlibabaはXuanTieブランドのもと、クラウドコンピューティングやAI、ビッグデータなどの分野におけるその圧倒的な能力を活用してイノベーションを推進し、RISC-Vのオープンソースエコシステムを構築している。

 Gallo氏は「XuanTieが掲げる使命は、強力かつインテリジェント、セキュアでオープンな新しいコンピューティングアーキテクチャと、デジタル時代に向けた信頼性のあるIPを提供することだ」と述べる。

 XuanTieは、「C930」や「C908X」などの高性能プロセッサを発表している。C930は高性能なサーバ向けの64ビットマルチコアプロセッサで、16ステージパイプラインのスーパースカラー/アウトオブオーダー実行マイクロアーキテクチャを搭載している。RISC-Vプロファイル「RVA23」との互換性を備え、数々の拡張をサポートし、PCやサーバ、自動運転などの分野の高性能コンピューティング(HPC)向けに設計されていて、CPUのベンチマーク指標SPECint2006では15/GHzを超えるスコアを達成するという。

 上海は、中国のRISC-V市場におけるもう1つの重要な拠点として認識されている。既に自動車向け機能安全規格「ISO 26262」に準拠したRISC-VプロセッサIPベンダーのNuclei System Technologyのような大手企業の本拠地となっている。

アカデミアと企業が融合する中国

 RISC-V Summit Chinaは、アカデミアと企業からの参加者が非常に良いバランスで混在していて、それが中国の技術市場のダイナミックな特徴となっている。

 HuaweiやHiSilicon、SMICなどをはじめとする中国大手メーカーは、RISC-Vツールと開発に積極的な投資を行っている。こうした集約的な取り組みから、中国が、オープンスタンダードのRISC-Vアーキテクチャを世界的に普及させる上での役割を加速させていることが見て取れる。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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