新たな国際規格に対応したEMC試験サービスを開始、OEG:次世代自動車部品の開発を支援
OKIエンジニアリング(OEG)は、次世代自動車部品に向けた「1000kHz対応磁界イミュニティ試験サービス」を2025年8月19日より始めた。これまで海外の試験所に依頼していた高周波数帯域の磁界イミュニティ試験が国内で行える。このため電装品メーカーは、評価コストの削減や開発期間の短縮が可能となる。
1000kHz対応の磁界イミュニティ試験が国内で可能に
OKIエンジニアリング(OEG)は、次世代自動車部品に向けた「1000kHz対応磁界イミュニティ試験サービス」を2025年8月19日より始めた。これまで海外の試験所に依頼していた高周波数帯域の磁界イミュニティ試験が国内で行える。このため電装品メーカーは、評価コストの削減や開発期間の短縮が可能となる。
電気自動車など次世代自動車の開発競争が本格化するとともに、自動運転への対応など車載電装品も高度化する。このため高電圧化や大電流化も進み、車載機器では高周波の磁界ノイズによる誤動作や通信障害といったリスクが高まっている。このため、車載電装品は、電磁両立性(EMC)評価の1つである磁界イミュニティ試験の国際規格に準拠できるよう、磁界ノイズへの耐性を高めていく必要がある。
磁界イミュニティ試験の国際規格「ISO11452-8」では、2025年度の改定で試験レベルの周波数帯域が400kHzまで拡大される予定である。さらに、一部の欧州自動車メーカーは独自規格として最大1000kHzを求めているという。ところが、国内の委託試験所では、こうした高周波数帯域に対応できる試験所は限られており、多くの自動車電装品メーカーは、海外の試験所に委託していたという。
そこで、ISO/IEC17025の認定試験所であるOEGは、新たに1000kHzまで対応できる試験環境を整え、高周波数帯域の磁界イミュニティ試験を国内で行えるようにした。これにより海外試験所に依存してきた電装品メーカーなどは、耐性試験に要する費用や時間を削減でき、製品開発の効率を高めることができる。試験中に故障や不具合が発生した時も、OEGでは評価や解析までワンストップで対応するという。
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