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GaNパワー半導体市場で拡大狙うサンケン電気、パウデックを吸収合併:高耐圧GaNの製品化を加速(2/2 ページ)
サンケン電気は窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス市場での拡大を狙い、開発を加速している。2025年8月13日には低オン抵抗で高耐圧化が容易な独自GaN技術を有する子会社パウデックの吸収合併をすると発表した。
2030年に大電流対応の縦型GaN量産化の構想も
サンケン電気のGaN技術展開では、さらなるステップとして、将来的に炭化ケイ素(SiC)市場の一部を置き換える、大電流対応の縦型GaNの開発を掲げている。具体的には、大電流領域の自動車/産業機器向けディスクリートおよびモジュールに搭載する縦型GaNの開発を進め、2030年に量産を開始する構想を立てている。
サンケン電気は「縦型GaNはSiCよりも素子性能が良く、電力密度を高くすることで、チップサイズを小さくすることが可能。これにより、さらなる小型/軽量化につなげることができる」としている。
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