この記事は、2025年8月25日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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楽しいだけじゃない、中国の気合いに驚くロボット運動会
先日、世界で初めてだというヒューマノイドロボットの運動会「2025世界ヒューマノイドロボット運動会」が、中国の北京で3日間にわたって開かれました。ロボットの開発者や操作する人を主体にした「ロボットコンテスト(ロボコン)」は聞きなじみがありますが、ロボット主体の「運動会」という表現が新鮮です。テレビ/新聞各社がYouTubeなどでニュース映像を投稿し、SNSでも話題になっています。
種目は陸上競技やサッカー、ボクシングなどのスポーツ競技に加え、ダンスなどのパフォーマンス競技、倉庫やホテルでの作業を想定したシナリオ競技もあり、計26種目。陸上競技ではスタッフを置き去りにするほどの見事な走りも見られた一方、サッカーではチーム内の全てのロボットが転倒したり、ボクシングでは試合開始数秒でダウンしてしまったりと人間のスポーツ大会では見られないハプニングも。SNSではそれがむしろ「かわいい」「面白い」と好評でした。
もちろん、楽しいだけのイベントではありません。この運動会は北京市政府などが主催するイベントで、技術力を世界にアピールするねらいがあります。ハードウェアの進化ももちろんですが、種目によってはAIを用いた自律動作が取り入れられていたそうで、ソフトウェアの進化にも驚きます。
中国はロボット開発に注力していて、Morgan Stanleyが2025年3月に発表したヒューマノイドロボットに関する報告書によると、ヒューマノイドロボット開発に関わる世界の企業のうち、50%以上が中国に拠点を置いています。また、国際ロボット連盟の2023年10月の発表によると、2023年に世界で導入された産業用ロボットのうちでも50%以上が中国での導入だったとのこと。この運動会でも実際に、26種目のうち20種目以上で中国チームが優勝していました。注力する分野のイベントなどを立ち上げるスピード感は、さすが中国だと感じます。
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この調子で、上司が絶賛していたトラックボールも買ってしまおうかと思っています。