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発熱低減とノイズ抑制、ロームの三相モータードライバーIC:独自の駆動ロジック搭載
ロームは、中耐圧(12〜48V)向けの三相ブラシレスDCモータードライバーIC「BD67871MWV-Z」を開発、量産を始めた。独自の駆動ロジックを搭載することで、FETの発熱低減とEMI抑制を両立させた。
EMIレベルが同等品であればFETの発熱を約35%低減
ロームは2025年10月、中耐圧(12〜48V)向けの三相ブラシレスDCモータードライバーIC「BD67871MWV-Z」を開発、量産を始めたと発表した。独自の駆動ロジックを搭載することで、FETの発熱低減とEMI抑制を両立させた。
BD67871MWV-Zは、FETからの電圧情報を基に、ゲート制御を即時に行う独自のアクティブゲートドライブ方式「TriC3(トリックスリー)」を搭載した。ゲート電流を3段階に制御するこの方式を活用することで、高速かつ高効率な動作を実現。同時にリンキングの発生を抑制することで、ノイズの低減と安定した動作を可能にした。
定電流駆動の同社従来品に比べ、同等のEMIレベルであればFETの発熱を約35%低減できるという。パッケージは外形寸法が4.0×4.0×1.0mmのUQFN28AV040Aで供給する。サンプル価格(税別)は800円。
ロームは、新製品を用いた機器開発を支援するための評価ボード「BD67871MWV-EVK-003」も用意している。また、新製品と同一のパッケージサイズやピン配置で、定電圧駆動の汎用モータードライバーIC「BD67870MWV-Z」「BD67872MWV-Z」も供給している。
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