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日本製鋼所が千葉に中央研究所を設置、半導体材料など研究開発:新技術/新規事業の創出に向けて
日本製鋼所は、千葉県柏市の柏の葉キャンパスエリアに新たな研究開発拠点となる「中央研究所(仮称)」を設置する。2027年度下期より運用を始める予定。
中期経営計画の目標達成には基盤技術研究が不可欠
日本製鋼所は2025年11月、千葉県柏市の柏の葉キャンパスエリアに新たな研究開発拠点となる「中央研究所(仮称)」を設置すると発表した。2027年度下期から運用を始める予定だ。
新たな研究開発拠点は、敷地面積が約1万1265m2で、敷地内には「事務所棟」をはじめ、クリーンルームなどを備えた「試験棟1」および、材料実験を行う「実験棟」を建設する。ここでは新機能材料(金属、半導体材料、プラスチックの各種改質など)および、その製造プロセスに関する新たな技術や製品の研究開発を行う。従業員は当初、30人程度の規模でスタートするが、将来的には100人規模となる予定だ。
日本製鋼所は、射出成型機や二軸混錬押出機など、プラスチックの成形/加工に必要な各種装置を開発し供給している。また、発電機器の部材となる大型鍛鋼品は世界の発電所で使用されているという。
中期経営計画「JGP2028」で定めた目標を達成するには、既存のコア技術を深化させるだけでなく、基盤技術研究による革新技術の創出が不可欠と判断。創立120周年となる2027年に、新たな研究開発拠点を開設することとした。
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