チップレット市場、2035年には1454億ドル規模に:日本は、CAGR30.3%で成長
調査会社のSDKI Analytics(以下:SDKI)は2025年11月、「チップレット市場に関する調査レポート:予測2026―2035年」を発表した。同レポートによると、のチップレット市場規模は2026〜2035年の期間中に年平均成長率(CAGR)29.1%で成長し、2035年には1454億米ドルに達する見込みだとしている。
調査会社のSDKI Analytics(以下:SDKI)は2025年11月、「チップレット市場に関する調査レポート:予測2026―2035年」を発表した。同レポートによると、2024年のチップレット市場規模は92億米ドルで、2026〜2035年の期間中に年平均成長率(CAGR)29.1%で成長し、2035年には1454億米ドルに達する見込みだとしている。
日本のチップレット市場は、期間中にCAGR 30.3%で成長すると予測。国内のIoTエコシステムや高齢化に伴う医療機器の導入、ロボット工学インフラの発展によるAI導入促進、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるデジタルエージェンシーの推進などが市場拡大に貢献するという。
日本は、CAGR30.3%で成長
チップレット市場成長の背景として、大型モノリシックチップは製造に多額の資本が必要で、かつ歩留まりも低いことから、小型の機能ブロックを個別で製造できるチップレットが代替手段になりつつあることが挙げられる。AI支援システムなど、複雑なタスクを実行できるプロセッサの需要の高まりや、研究開発投資の増加も要因だとする。
セグメントで見ると、プロセッサタイプ別ではCPUチップレットが、コンピューティングシステムの中核として市場を席巻するという。パッケージング技術別では、2.5D/3Dパッケージングがシェアの約48%を占める中心的存在になると予測する。
地域別で見ると、北米市場はAIクラウドインフラ、高性能コンピューティングによる強力なリーダーシップがけん引し、着実な成長を維持。SDKIの調査では、米国の主要なデザインハウスとファウンドリーパートナーは、コンピューティング需要の増大に柔軟に対応するため、モジュラーアーキテクチャを推進しているという。
欧州市場は自動車や産業オートメーション、通信などの強力な産業基盤を背景に、着実に成長するとした。SDKIの調査では、欧州コンソーシアムと公共政策は半導体主権に焦点を当てていて、チップレット設計のサプライチェーンが拡大しているとのことだ。
アジア太平洋地域は市場の42%と最大シェアを占め、CAGR 28.9%で市場をリードするという。SDKIの調査によると、台湾や韓国、中国、インド、日本などの国/地域はファウンドリーおよびパッケージング能力を拡大している主要国で、民生用電子機器、IoT、自動車の電動化、5G/6Gの展開が、モジュラーチップアーキテクチャの需要を押し上げているとした。
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