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PCBの熱をヒートシンクに直接伝達、新パッケージ採用SiC MOSFET:放熱とスイッチング性能を両立
オンセミは、新たな冷却パッケージ技術を採用した「EliteSiC MOSFET」を発売した。電気自動車(EV)用充電器や太陽光発電システム用インバーター、産業用電源などの用途に向ける。
EV充電器や太陽光発電システム用インバーターなどに提案
オンセミは2025年12月、新たな冷却パッケージ技術を採用した「EliteSiC MOSFET」を発売した。電気自動車(EV)用充電器や太陽光発電システム用インバーター、産業用電源などの用途に向ける。
今回発表した耐圧650Vおよび950VのEliteSiC MOSFETは、炭化ケイ素(SiC)とトップクールパッケージ「T2PAK」の技術を融合させた製品。プリント基板上の熱を、システムのヒートシンクに直接伝達することで、放熱とスイッチング性能を両立できるようになった。主要顧客に対しては既に初期製品の出荷を始めている。追加の製品も2025年第4四半期以降には出荷する予定だ。
オンセミは、EliteSiCファミリー全てに、T2PAKトップクールパッケージを導入する計画である。これにより、熱性能や耐久性、信頼性などに関する要求が厳しい高電力・高電圧の用途に対応していく。
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