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小型と高実装信頼性を両立 ロームの車載低耐圧MOSFET:より小型品も開発中
ロームは2025年12月9日、車載用の低耐圧(40V、60V)MOSFETのラインアップに、HPLF5060(4.9×6.0mm)パッケージ品を追加した。一般的なパッケージよりも小型ながら、ガルウィングリード採用によって高い実装信頼性に貢献している。
小型パッケージと高い実装信頼性を両立
ロームは2025年12月9日、車載用の低耐圧(40V、60V)MOSFETのラインアップに、HPLF5060(4.9×6.0mm)パッケージ品を追加した。すでに量産を開始していて、サンプル価格は1個500円(税別)だ。
主機インバーター制御回路や電気ポンプ、LEDヘッドライトなどで用いる車載用低耐圧MOSFETは、小型パッケージへの移行が進んでいる。一方、小型パッケージは端子間距離の短さやリードレス構造に伴う、実装信頼性の確保が課題とされる。
ロームは今回、車載用低耐圧MOSFETで一般的だというTO-252(6.6×10.0mm)パッケージなどよりも小型のHPLF5060を採用。放熱性に優れるというガルウィングリードの採用によって、高い実装信頼性に貢献している。
銅製クリップでチップとリードフレームを接続する「銅クリップボンディング」の採用で、大電流にも対応した。
ロームでは、同パッケージ品のさらなる機種を展開するとともに、より小型のDFN3333(3.3×3.3mm)パッケージ品の量産を、2026年2月ごろから開始する予定だ。さらにTOLG(TO-Leaded with Gullwing)パッケージ品(9.9×11.7mm)の開発にも着手している。
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