全て覚えていますか？ エレクトロニクス業界と世間の20年ニュース：EE Times Japan 創刊20周年記念企画（1/4 ページ）

[浅井涼，EE Times Japan]

　2025年、EE Times Japanは創刊20周年を迎えました。この20年で技術は大きく進歩し、社会の在り方も様変わりしたことと思います。

　本記事では、EE Times Japanが創刊された2005年から2024年までの20年間の、半導体／エレクトロニクス業界のニュースと世間のニュースを振り返ります。ぜひ、「この年はこんなことがあったな」「あの年といえばあの製品かな」と思い浮かべながらお読みください。

2005年：EE Times Japan創刊！　YouTubeも「同い年」

2005〜2014年のニュース［クリックで拡大］

　2005年7月、EE Times Japanの創刊号が発行されました。創刊号の巻頭企画は「アナログ新時代　限界に挑む」でした。

　この年、半導体業界では、IBMとソニー、東芝がソニーコンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機「PlayStation 3」向けCPU「Cell Broadband Engine」を発表しました。異なるCPUコアを複数集積したヘテロジニアスマルチコア設計が特徴でした。

　YouTubeが設立され、現在に続くSNS時代が幕を開けたのもこの年です。日本では「自然の叡智」をテーマにした国際博覧会「愛・地球博」が開催されたほか、夏場の冷房節約のための軽装化キャンペーン「クールビズ」が提唱されるなど、環境保護の意識が高まり始めた時期でもありました。

2006年：「Intel Core」登場、日本では「イナバウアー」が流行

　2006年には、IntelがCPU「Intel Core」（開発コードネーム：Yonah）を発表しました（インテル社の新プロセッサ、銅ピラー構造のフリップチップ実装採用）。65nmプロセスで製造されたものでした。同製品を解析したChipworksによると、パッケージ内実装に、従来の鉛すず（Pb-Sn）はんだボールに代えて銅（Cu）ピラー構造のバンプ（CPB：Copper Pillar Bumping）技術を採用した最初のIntel製プロセッサだといいます。

　世間の話題といえば、イタリアのトリノで開催されたトリノ五輪。フィギュアスケート女子シングルで金メダルを獲得した荒川静香選手の「イナバウアー」が流行しました。太陽系の冥王星が惑星から除外され、準惑星となったのもこの年でした。

2007年：初代「iPhone」発売、食品偽装問題も発生

　2007年は、Appleのスマートフォン「iPhone」が初めて発売された年です。Qualcommのモバイル向けSoC「Snapdragon」も登場するなど、モバイル端末の進化にとって重要な年となりました。

　世間では宮崎県知事（当時）の東国原英夫氏の発言「（宮崎を）どげんかせんといかん」が話題に。また、食品偽装問題が相次いで発生し、不安が高まった年でもありました。

2008年：iPhoneが日本上陸、リーマンショックによる不況に突入

　2008年には3G通信に対応した「iPone 3G」が登場。日本でも7月11日にソフトバンクが初めて販売を始め、行列ができるほどの人気になりました。

　この年の大きな出来事といえばやはり、米国のサブプライム住宅ローン危機に端を発するリーマンショックです。日本でも多くの企業が利益を大幅に減らしたほか、派遣契約労働者が契約を打ち切られる「派遣切り」も問題に。また、地方自治体や企業のマスコットキャラクター「ゆるキャラ」が流行しました。

2009年：市況悪化でQimondaが破産

　2009年には、市況悪化の影響を受け、1月にQimondaが破産を申請（インフィニオンがキマンダ ドレスデンの資産を買収、パワー半導体を拡充）。また、3月にはAMDが分社化した半導体製造部門を母体としてGlobalFoundriesが設立されました。

　日本では、8月に衆議院議員選挙の投開票が実施されました。民主党が「政権交代」を大々的にアピールして自由民主党に大勝しました。選挙といえば、アイドルグループ・AKB48のCDシングル参加メンバーをファンが選ぶ投票イベント「AKB48選抜総選挙」が初めて開催されたのもこの年でした。