SiCウエハー世界市場は2035年に5724億円規模へ 中国メーカーが攻勢:転換期迎える
富士経済によると、炭化ケイ素(SiC)ウエハーの世界市場は、2025年見込みの1943億円に対し、2035年は約3倍の5724億円規模になるという。今後は、中国を中心に8インチウエハーを用いたパワー半導体デバイスの製造が本格化する見通しだ。
予想より早く8インチウエハー市場が立ち上がる
富士経済は2025年12月、炭化ケイ素(SiC)ウエハーの世界市場を調査し発表した。2025年見込みの1943億円に対し、2035年は約3倍の5724億円規模になると予測した。今後は、中国を中心に8インチウエハーを用いたパワー半導体デバイスの製造が本格化する見通しだ。
今回の調査は、口径別のSiCベアウエハー市場および、エピ膜成長装置など関連する製造装置市場を対象に行った。パワー半導体デバイス向け以外の用途として、拡張現実(AR)グラス向けウエハーの動向も調べた。調査期間は2025年9〜10月。
2025年のSiCウエハー市場は、前年比で22.3%の増加となる見込みだ。欧米で電気自動車(EV)需要が低迷したこともあり、近年の期待値を下回る状況になった。ただ、中国メーカーを中心に低価格化や8インチ化への動きが加速した。これによって、前回調査に比べると市場は上振れするとみている。
口径別では当初、2027年ごろから8インチウエハー需要が立ち上がるとみられていたが、中国メーカーが2024年ごろから8インチウエハーの量産に乗り出した。このため予想より早く市場は立ち上がった。8インチウエハー市場は2025年見込みの551億円に対し、2035年は3700億円規模になると予測している。
2025年6月にはSiCウエハーの最大手だったWolfspeedが破産申請した。EV市場の低迷や中国メーカーによる低価格品の量的拡大などもあって、市場成長率は鈍化する。一方で、8インチや12インチなどウエハーの大口径化が進む。また、ARグラスに半絶縁型ウエハーが採用されるなど好材料もある。ここにきて、SiCウエハーを取り巻く市場環境は大きな転換期を迎えている。
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