NVIDIAのGroq獲得 ハイパースケーラー顧客引き留めも狙いか:異例の200億ドル取引(3/3 ページ)
2025年12月、NVIDIAがAIスタートアップのGroqを事実上買収することが発表された。取引額はスタートアップの買収としては異例の200億米ドルにものぼるとされる。
ハイパースケーラー顧客を引き留めるための戦略か
EE Timesは、NVIDIAがGroqを買収したのは純粋にその技術やアーキテクチャのためではなく、商業上の要因も大きく影響していると推測している。Groqは資金力のある中東の企業と重要な提携関係を結んでいて、既に同地域に大規模クラスタを展開している。ソブリンAI関連の取引も行っていて、これはNVIDIAにとって魅力的に映ったのかもしれない。
とはいえ、これまでのGroqの最大のセールスポイントの1つは「NVIDIAではないこと」、つまりソブリンAIインフラの現実的かつ安価な選択肢であることだった。しかしこの選択肢はもはや機能していない可能性があり、将来のソブリンAI購入者はいずれにしてもNVIDIAの交渉戦術とサプライチェーンの制約にさらされることになるだろう。
NVIDIAの最大の懸念はハイパースケール顧客が自社製の極めて優れたチップとシステムを設計/構築し、NVIDIAのGPUにそれほど依存しなくなることだ。NVIDIAがGroqを買収する動機には、これらのハイパースケール顧客がGroq製品を購入することを阻止したいという意図が含まれている可能性がある。Groqの技術は、MetaやMicrosoft、OpenAIといった、自社製ハードウェア計画が大きく成功する前の企業に大きな変化をもたらすかもしれないものだったからだ。
NVIDIAは依然として、GPUであらゆることが可能だと本気で信じているのだろうか。この200億米ドル規模の買収は、AIがバブルであることを意味するのか、そうでないことを意味するのか。この金額は、AI分野における他のスタートアップ企業や新規参入企業の評価額にどのような影響を与えるのだろうか。今回の取引はCerebrasの今後のIPO(新規株式公開)にどのような影響を与えるのだろうか。GroqCloudはどうなるのだろうか。答えよりも疑問の方がまだ多い。EE Timesは2026年も注視していくつもりだ。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
米政府が「H200」の対中輸出容認、NVIDIAはチャンスを生かせるか
米政府がNVIDIAのAIプロセッサ「H200」の対中輸出を容認する方針を表明した。一方で中国では、先端半導体も含めて自給自足しようとする動きが継続している。地政学的な“綱引き”が続く中、NVIDIAは中国市場というチャンスを生かせるのか。
サーバをそのままオイルにどぼん PUE 1.03の液浸冷却技術
Quantum Meshは「CES 2026」のENEOSブースにて、コンテナ収容型液浸冷却システム「KAMUI(カムイ)」を展示した。サーバ自体をそのまま冷却液(オイル)に浸すもので、PUE(Power Usage Effectiveness)は1.03〜1.04を実現する。
DRAM市場でSamsungが王座奪還、SK hynixは2位に 25年4Q
市場調査会社Counterpoint Researchによると、Samsung Electronics(以下、Samsung)は2025年第4四半期(10〜12月)、DRAM売上高で過去最高の192億米ドルを記録し、SK hynixを上回り4四半期ぶりにDRAM市場でトップになったという。
NVIDIA、次世代AIプラットフォーム「Rubin」発表 26年後半から提供予定
NVIDIAは2026年1月5日(米国時間)、「CES 2026」において、次世代AIプラットフォーム「NVIDIA Rubin」を発表した。新設計のチップ6個で構成され、5個の最新世代技術によって、推論トークンコストを10分の1、MoEトレーニング使用GPUを4分の1に削減できるという。
NVIDIA「フィジカルAIのブレークスルー到来」 CESに新型ロボ多数登場
NVIDIAは2026年1月5日(米国時間)、「CES 2026」において、フィジカルAI向けの新オープンモデルやフレームワーク、AIインフラを発表した。同時にグローバルパートナー企業各社が、NVIDIAのロボティクス技術を活用したロボット、自律マシンを公開している。