堀場製作所がインドの人工ダイヤモンド新興を買収:ダイヤモンドウエハー実用化に向け
堀場製作所のグループ会社であるホリバ・インドは、人工ダイヤモンドの研究開発を手掛けるインドのスタートアップ「Pristine Deeptech」の全株式を取得し、子会社化した。これを機にインドを、ダイヤモンドウエハーを含む先端材料の実用化と普及に向けた分析/計測ソリューションの研究開発拠点と位置づける。
先端材料・半導体事業をリードする研究開発拠点に
堀場製作所のグループ会社であるホリバ・インドは2026年2月、人工ダイヤモンドの研究開発を手掛けるインドのスタートアップ「Pristine Deeptech(プリスティン・ディープテック)」の全株式を取得し、子会社化したと発表した。これを機にインドを、ダイヤモンドウエハーを含む先端材料の実用化と普及に向けた分析/計測ソリューションの研究開発拠点と位置づける。
ダイヤモンドは、熱伝導性や耐電圧性に優れている。このため、次世代のパワー半導体や量子センサーなどへの応用が期待されていて、今後は人工ダイヤモンド市場も需要拡大が見込まれている。
プリスティン・ディープテックは、人工ダイヤモンドの研究開発からMPCVD(マイクロ波プラズマ化学気相成長法)製造装置の開発/販売まで一貫して行うスタートアップで、堀場製作所グループとは2023年から取引関係にあった。
今回の買収によって、堀場製作所が強みとする分析/計測技術と、プリスティン・ディープテックが有するダイヤモンドに関する知見を組み合わせ、新たな製品開発や分析/計測ソリューションを創出するための研究開発に取り組む。また、ダイヤモンドを用いたセンサーなどの部品開発を行う。開発した製品は部品単体での販売や堀場製作所が開発する製品への搭載を計画している。
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