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ルネサスがGaN事業拡大、米国EPCとライセンス契約低耐圧GaNもカバーへ

ルネサス エレクトロニクスが窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス事業を強化する。同社は米国のGaN専業メーカーEPCと包括的なライセンス契約を締結。EPCの低耐圧GaN技術にアクセス可能となり、「AI向け電源アーキテクチャなど高ボリューム市場での機会を拡大する」としている。

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 EPCは2026年2月10日(米国時間)、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)と窒化ガリウム(GaN)パワーデバイスに関する包括的なライセンス契約を締結したと発表した。ルネサスがEPCの低耐圧GaN技術とサプライチェーンエコシステムへアクセス可能となり、AI向け電源アーキテクチャなど高ボリューム市場での機会を拡大する。

1年かけ、協業による製品の自社製造能力を整備

 EPCは2007年創業の米国のGaN専業メーカーで、E-モードGaN技術「eGaN」を展開。2024年のGaNパワーデバイス市場(Yole Group調べ)ではシェア13.5%で4位の主要プレーヤーだ。ルネサスは今回の契約に基づき、EPCの低耐圧eGaN技術および同社の確立されたサプライチェーンエコシステムを活用できるようになる。両社は、今後1年をかけ、この協業による製品の自社製造能力を整備していく計画だという。


出所:EPC

 ルネサスは、今回の契約によってEPCの低耐圧GaN技術の知見が加わり、「低耐圧から高耐圧までをカバーする包括的なGaNパワーポートフォリオが提供可能となり、GaNの普及をさらに加速できる」としている。

 またルネサスは、既に量産されているEPCのGaNデバイスの一部をセカンドソースとして供給する予定で「顧客に対するサプライチェーンの強靭化につなげる」としている。

Transphorm買収で650V耐圧品を展開、ルネサスのGaN事業

 ルネサスは2024年、主に650V耐圧品を手掛けるTransphormの買収を完了し、GaN市場に本格参入した。買収で獲得した独自技術「SuperGaN」は、高耐圧のD-mode GaNと低耐圧のSi MOSFETを直列に接続したカスコード構造を活用するもので、2025年7月には買収後初のGaN新製品も発表。製造については6インチラインの自社ファブで行っている他、2027年からはパートナー契約を結ぶ米国Polar Semiconductorの8インチファブでも製造する計画を明かしている。

 今回の発表についてルネサスのGaNビジネス部門担当バイスプレジデントであるRohan Samsi氏は「低電圧GaNに事業を拡大することで、最も成長の速いパワー分野に対応できる。今回の契約は当社が確立している650V以上の高耐圧ポートフォリオを補完し、48Vから12V、さらに1Vへと至るAI向け電源アーキテクチャなどの高ボリューム市場に加えて、クライアントコンピューティングやバッテリー駆動アプリケーションでの機会を取り込めるようにする」とコメントしている。

 EPCのCEO、Alex Lidow氏は「両社は協力して、最先端の電力効率を提供するためのグローバルなアライアンスを形成する。AIデータセンターでコストを削減し、自律システムを強化する。これはこの業界と当社にとって、刺激的な瞬間だ」などとコメントしている。

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