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「世界初」赤色LDによる植物栽培で高い成長促進効果を実証:スタンレー電気と東京大が共同で
スタンレー電気と東京大学は共同で、植物栽培用の人工光源に赤色レーザーダイオード(LD)を用いれば、従来の発光ダイオード(LED)よりも、高い成長促進効果が得られることを「世界で初めて」(両者)実証した。
赤色LED照射に比べ、光合成速度は最大で約19%向上
スタンレー電気は2026年2月、東京大学大学院農学生命科学研究科の矢守航准教授らによる研究グループと共同で、植物栽培用の人工光源に赤色レーザーダイオード(LD)を用いれば、従来の発光ダイオード(LED)よりも、高い成長促進効果が得られることを「世界で初めて」(両者)実証した。
波長が660nmの赤色LDは、主な光合成色素である「クロロフィル」の吸収ピークに極めて近い単色光を照射できるという。実験では、複数波長の赤色LEDとLDについて、それぞれの単色光をたばこの葉に照射し、光合成速度や気孔の開き方、水の利用効率などを調べた。
この結果、光合成速度を最も効率よく高められる赤色LDの波長は660nmだった。しかも、赤色LDを照射すると光合成速度は、同等波長の赤色LED照射に比べ最大で約19%向上した。
LDとLEDが植物体全体の育成に及ぼす影響についても評価した。12日間の連続照射試験を行い乾燥重量や葉面積について調べた。これにより、赤色LDを照射すると、赤色LED照射に比べ、乾燥重量も葉面積も有意差があることを確認した。赤色LD照射では葉の黄化など生理的ストレスの症状も認められなかった。
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