東京応化がEUV向けフォトレジスト開発強化、英IMに出資:よりクリーンな半導体製造を支援
東京応化工業(TOK)は2026年2月、EUVリソグラフィ向けフォトレジスト材料の開発を加速するため、イギリスIrresistible Materialsに対し戦略的投資を行うとともに、共同開発を行うことで提携した。
IMは人材を拡充し設備を増強、ASMLやimecとの連携も一層強化
東京応化工業(TOK)は2026年2月、極端紫外線(EUV)リソグラフィ向けフォトレジスト材料の開発を加速するため、イギリスのIrresistible Materials(IM)に対し戦略的投資を行うとともに、共同開発を行うことで提携したと発表した。
IMは、次世代のEUVリソグラフィ向けフォトレジストの開発を専門とする会社だ。特許を持つフォトレジスト材料「Multi-Trigger Resist(MTR)」は、従来のポリマー系レジストに比べ、分子サイズが最大10分の1と小さい。低開口数(NA)および高NAのEUVリソグラフィにおいて、解像度やライン幅ラフネス(LWR)、ラインエッジラフネス(LER)、感度、吸収率、欠陥率、エッチング耐性といった指標で、優れた描画性能を実現しているという。
TOKは、IMのMTRが化学増幅型レジスト(CAR)や金属酸化物レジスト(MOR)を補完する技術であることを高く評価し、IMへの出資を決めた。IMはTOKから得た資金を、人材の拡充や設備の強化などに充てる。また、ASMLやimecなどとの連携を一層強化し、先進の材料開発に注力していくとしている。
一方でTOKは、自社のレジストポートフォリオを補完するため、IMのMTRを活用していく。さらに、TOKが強みとする製造能力や品質管理プロセスを生かし、MTRの増産に取り組む。
両社は既に、PFAS/PFOSフリーおよび、メタルフリーのフォトレジスト開発にも取り組んでおり、よりクリーンで持続可能な半導体製造を実現するためのフォトレジスト材料を提供していく。
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