ルネサスが第5世代「R-Car」 向け開発プラットフォームを拡充:R-Car X5H評価ボードとソフトを追加
ルネサス エレクトロニクスは、第5世代となるR-Car SoC向け開発プラットフォーム「R-Car Open Access(RoX)」の機能を拡充した。マルチドメイン対応の車載用SoC「R-Car X5H」の評価ボードとソフトウェア群「RoX Whitebox」を新たに用意し、提供を始めた。
ソフトウェア定義型自動車(SDV)の開発を加速、市場投入までの期間短縮も可能に
ルネサス エレクトロニクスは2025年12月、第5世代となるR-Car SoC(System on Chip)向け開発プラットフォーム「R-Car Open Access(RoX)」の機能を拡充したと発表した。マルチドメイン対応の車載用SoC「R-Car X5H」の評価ボードとソフトウェア群「RoX Whitebox」を新たに用意し、提供を始めた。
R-Car X5Hは、3nm世代プロセス技術を採用した車載用SoCで、2025年上期に一部のユーザーなどに対しサンプル品の提供を始めた。32個のArm Cortex-A720AE CPUコアや6個のCortex-R52ロックステップコアなどを搭載している。高い性能を実現したことで、先進運転支援システム(ADAS)や車載インフォテインメント(IVI)、ゲートウェイシステムなど、複数の機能を同時に実行できる。消費電力も5nm品に比べ最大35%削減できるという。
RoX Whiteboxは、R-Car X5Hの基本ソフトウェア「RoX SDK」をベースに、LinuxやAndroid、XENハイパーバイザーなどを組み合わせて使える。AUTOSARやEB corbos Linux、QNXといったパートナーのOSやソフトウェアを利用することも可能だ。
RoX Whiteboxを活用すれば、ADASやレベル3/4の自動運転、インテリジェントコクピットなどに向けたシステム開発を速やかに始めることができる。評価ボードを用いれば実機による機能検証も早期に行える。RoXプラットフォームを用い、SDV(ソフトウェア定義車両)の開発を加速すれば、市場投入までの期間を短縮できる可能性が高い。
ルネサスは、2026年1月6日より米ラスベガスで開催される「CES 2026」で、R-Car X5Hを用いたマルチドメインのデモ展示を行う予定。
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