高NA EUVを「産業規模へ拡張」、imecがEXE:5200導入:次世代ロジック/メモリ技術を開拓
imecがASMLの高開口数(NA)極端紫外線(EUV)露光装置「TWINSCAN EXE:5200」を受領したと発表した。ベルギー・ルーベンにあるimecの300mmクリーンルームに導入する。
imecは2026年3月18日(ベルギー時間)、ASMLの高開口数(NA)極端紫外線(EUV)露光装置である「TWINSCAN EXE:5200」を受領したと発表した。ベルギー・ルーベンにあるimecの300mmクリーンルームに導入する。imecは「パターニングや計測ツール、材料群と統合された高NA EUV露光装置によって、imecおよびそのエコシステムパートナーは、高度なAIおよびコンピューティングの成長を支える2nm以下のロジックおよび高密度メモリ技術の開拓に必要な性能を引き出せる」と述べている。
TWINSCAN EXE:5200受領時の記念撮影。左からASMLのPeter Vanoppen氏、ASMLのMartin van den Brink氏、imecのCEO、Luc Van den hove氏、フランドル政府のMatthias Diependaele氏、imecのPatrick Vandenameele氏[クリックで拡大] 出所:imec
imecのCEO、Luc Van den hove氏は「過去2年間は、高NA(0.55)EUV露光装置にとって重要な局面だった」と言及する。imecとASMLは2024年6月、オランダ・フェルドホーフェンに両者が共同運営する「高NA EUVリソグラフィーラボ」を設立。同ラボではプロトタイプの高NA EUV露光装置「TWINSCAN EXE:5000」を導入し、同装置とそれを取り巻くプロセスおよび計測ツール群へのアクセスを提供してきた。
同ラボの設立は、高NA EUV露光装置の量産導入を見据えたもので、imecとASMLはEXE:5000に加え、コータ/デベロッパートラック、計測装置、ウエハーおよびマスク搬送システムなどを整備し、半導体メーカーが自社工場への導入前に技術リスクを低減しながら独自の高NA EUVユースケースを開発できる環境を構築した。また、材料/装置サプライヤーを含む広範なエコシステムや、imecの高NAパターニングプログラムへのアクセスも提供してきた。
imecは今回、EXE:5200を導入することで「先端パターニングにおける最も包括的な開発環境としての地位を確固たるものとした」と説明。主要な半導体メーカー、装置メーカー、材料およびレジストサプライヤー、マスクメーカー、計測分野の専門家との緊密なエコシステム連携によって、学習サイクルの高速化とプロセス安定性の向上を実現。「次世代ロジックおよびメモリデバイス向けの最先端パターニング技術の開発と実証を進めることで、今後数年間の先進コンピューティングおよびAIの未来を形作るブレークスルーを促進する」としている。
高NA EUVパターニング技術を産業規模へと拡張
Van den hove氏は「imecとASMLは、高NA EUVリソグラフィーラボでエコシステムと連携し、この技術の先駆的役割を担ってきた。EXE:5200の導入によって、高NA EUVパターニング技術を産業規模へと拡張し、次世代の高NA EUVパターニングのユースケースを開発することを目指す。比類ない解像度、向上したオーバーレイ性能、高いスループット、そしてプロセス安定性とスループットを向上させる新しいウエハーストッカーによって、パートナー企業は2nm以下のチップ技術の開発を加速する上で決定的な優位性を得られる」とコメントしている。
ASMLのCEOであるChristophe Fouquet氏は「imecによるEXE:5200の導入は、オングストローム時代への重要な一歩だ。われわれは協力して、次世代の先進メモリおよびコンピューティングに向けた高NA EUVの拡張性を加速させていく」と述べている。
imecは、EXE:5200が2026年第4四半期までに適格性確認を完了する見込みだ。それまでの間、フェルドホーフェンの高NA EUVリソグラフィーラボは引き続き稼働し、imecおよびそのエコシステムパートナーにおける高NA EUV研究開発活動の継続性を確保するとしている。
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