デンソーによるローム買収提案は取り下げ、賛同に至らず:シナジー出る協業は継続
デンソーがロームに対する買収提案を取り下げた。ロームは特別委員会を立ち上げて協議や検討を重ねてきたが、賛同するという結論には至らなかったという。
ロームは2026年4月28日、デンソーによるローム株式取得に関する提案が取り下げられたと発表した。同年3月に発表されたローム買収提案は公式に取り下げられたことになる。
ロームはデンソーからの買収提案に対し、独立社外取締役などで構成する特別委員会を立ち上げ、ロームの企業価値向上や共同利益の確保を含むさまざまな観点で検討を進めていた。デンソーとの間で協議を重ね、提案の内容に対する理解は深めたものの、賛同するという結論には至らなかったという。ローム広報はその背景に関し「協議に関わる内容は非公開でありコメントを控える」とした。
ロームとデンソーは2025年5月に、半導体分野における戦略的パートナーシップ構築に向けた基本合意を発表している。ローム広報は「(買収提案に対しては)賛同に至らなかったものの、よりシナジーが出るようなパートナーシップや協業を検討していくことは変わらない」と述べた。
なお、2026年3月27日に発表した東芝デバイス&ストレージおよび、三菱電機のパワーデバイス事業との事業/経営統合については「協議を開始した」(ローム広報)という。広報は併せて、今回のデンソーによる買収提案取り下げが、事業/経営統合の協議を加速するものではないとコメントした。同協議を継続するとともに、2026〜2028年度を対象にした第2期中期経営計画についても推進していく。「さらなるシナジーを目指すデンソーとの協業、東芝デバイス&ストレージと三菱電機パワーデバイス事業との統合、そして中期経営計画。これら3つを並行して進める」(ローム広報)
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