TSMC撤退の逆風越え、浜松に技術者集結――27年GaN内製化へ全力のローム:電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記
TSMCの撤退を受け、8インチでのGaNパワー半導体自社製造に舵を切ったローム。「あと1年半で量産」という目標に向け、浜松に技術者が集結しています。
この記事は、2026年6月15日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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TSMC撤退の逆風越え、浜松に技術者集結――27年GaN内製化へ全力のローム
「非常に痛い、大きな痛手だ」――。
業界最大手であるTSMCがGaNファウンドリー事業からの撤退を決めたというニュースは、業界全体に衝撃を与えました。中でも、その動向に注目が集まったのがロームです。TSMCの決定を受けて、ロームの東克己社長は、その影響の大きさを率直に認めていました。
ロームは早くからGaNパワーデバイスの開発に取り組んでおり、2022年3月には浜松工場で150V耐圧GaN HEMTの量産体制を確立しています。一方、サーバ電源や電気自動車(EV)向けで需要拡大が期待される650V品については、TSMCとの協業を軸に量産体制を構築してきました。そして両社はその後も関係をより強固にし、2024年12月には車載GaNデバイスの開発/量産に向けた戦略的パートナーシップも発表していました。
こうしてGaN市場の本格成長を見据えて協業体制を強化していた中で飛び込んできたのが、TSMCのGaNファウンドリー事業撤退というニュースでした。東氏は当時、「当社の技術者が現地に行き、TSMCの技術と当社が今まで作ってきたノウハウを合わせ込んできたので、ものすごく大きな痛手だ」と述べていました。
EE Times Japanではこれまで、TSMC撤退による影響やロームの対応方針について継続的に報じてきました。そして2026年2月、ロームはTSMCからGaNのプロセス技術のライセンス供与を受け、自社生産へ移行する方針を明らかにしました。
ロームが同時に掲げたのが2027年中の生産体制構築という目標です。TSMCからの技術移管とともに8インチラインを立ち上げ、2年足らずで量産を実現するという計画で、そのスケジュールはかなり意欲的なものでした。
現在TSMCで量産しているGaNウエハープロセスを基本的に変更せず、そのまま浜松へ移管する方針であり、顧客側は、必要となる変更や再評価の負担をできるだけ抑えられるという利点があります。ただし、プロセス技術のライセンスを取得したからと言って、同じ品質や歩留まりを量産で再現できるわけではありません。特に特性や信頼性に大きな影響を与えるエピタキシャル成長をはじめ、TSMCで確立された量産技術を浜松で再現し、そして8インチラインを立ち上げていくには、多くの挑戦が待ち受けています。
技術者が浜松に集結、8インチ用の装置もそろった
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