3インチ単結晶ダイヤモンドウエハーの生産技術確立:4インチ結晶の開発にも着手
Orbray(オーブレー)と英Element Six(エレメントシックス)は、直径3イチ(76.2mm)の単結晶ダイヤモンド結晶の生産技術を確立した。4インチ結晶の開発に着手するとともに、2インチウエハーの量産準備が最終段階にあることも明らかにした。
2インチウエハーの量産準備は最終段階、早期の製品化目指す
Orbray(オーブレー)と英Element Six(エレメントシックス)は2026年6月、直径3インチ(76.2mm)の単結晶ダイヤモンド結晶の生産技術を確立したと発表した。4インチ結晶の開発に着手するとともに、2インチウエハーの量産準備が最終段階にあることも明らかにした。
単結晶ダイヤモンドは、究極の半導体材料として注目されている。Orbrayは、独自のステップフロー成長法を用い、2インチの単結晶ダイヤモンドウエハー「KENZAN Diamond」を開発したと2021年9月に発表した。2024年6月には、ダイヤモンドウエハーの量産技術および量産設備を持つElement Sixと、知的財産のクロスライセンスを結び、共同開発を行ってきた。
今回はその第1弾として、3つの成果を発表した。その1つは「3インチ単結晶ダイヤモンド結晶の生産技術を確立した」ことである。大口径化によりウエハー1枚当たりのチップ収量が増え、コスト低減が可能となる。現在は研磨技術の開発に取り組んでいる。
2つ目は、「4インチ(100mm)単結晶ダイヤモンド結晶の開発に着手した」ことだ。ウエハーの4インチ化により、既存の半導体製造ラインへの対応が可能となる。
3つ目は、「2インチ(50.8mm)単結晶ダイヤモンドウエハーの量産準備が最終段階を迎えた」ことだ。米国オレゴン州にあるElement Sixのグレシャム工場で量産段階を迎えている。デバイスメーカーや研究機関におけるデバイスの試作および評価用として製品化を急ぐ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
大口径の人工ダイヤモンド基板量産に向け、OrbrayとElement Sixが提携
Orbray(オーブレー)と英Element Sixは、戦略的提携を行うと発表した。両社の技術を持ち寄り、高品質でウエハースケールの「単結晶人工ダイヤモンド」を開発し、量産技術を確立することで、製品の安定供給を目指す。
2インチ高純度ダイヤモンドウエハーの量産技術開発
アダマンド並木精密宝石は、直径2インチ(約55mm)の高純度ダイヤモンドウエハーについて、量産技術を開発した。2023年に製品化の予定。量子コンピュータ用の量子メモリや超高感度磁気センサーといった用途に向ける。
モノリシック双方向ダイヤモンドスイッチで安定動作、PDS
Power Diamond Systemsは、ダイヤモンドMOSFET技術を応用したモノリシック双方向ダイヤモンドスイッチを開発、双方向スイッチとして安定動作することを確認した。しかも、バルク伝導を利用する従来構造品に比べ、耐圧を向上させながらオン抵抗を10分の1以下とした。
「究極の半導体」ダイヤモンドを社会へ 動態展示も実現の早大発新興
電力需要の増大でパワー半導体の性能向上の重要性が高まる中、次世代パワー半導体の研究開発が進んでいる。中でも優れた物性値を誇り、「究極の半導体材料」と称されるのがダイヤモンドだ。ダイヤモンド半導体の研究を進めるPower Diamond Systems(PDS) Co-Founder&CEOの藤嶌辰也氏、同社 事業連携統括 宇田川昌和氏に、ダイヤモンド半導体の社会実装に向けた同社の取り組みについて聞いた。
ダイヤモンドデバイス実用化へ加速、ホンダとイーディーピー
本田技術研究所とイーディーピーは、ダイヤモンドデバイス用材料に関する共同研究について基本合意した。ダイヤモンドパワーデバイスの早期実用化に向けて、2026年8月末までに正式な契約を結ぶ予定。
ダイヤモンドMOSFETを用いたDC-DCコンの動作を実証
Power Diamond Systemsは2026年3月、ダイヤモンドMOSFETを用いた非同期整流降圧DC-DCコンバーターを作製し、連続スイッチング動作に対応できることを確認した。実際の電力変換動作を実証したのは「世界で初めて」という。
