ソニーが新画素構造「RB2×2 OCL」採用センサー 高解像度とAF性能を両立:スマホ望遠カメラで4K 120fps(2/2 ページ)
ソニーセミコンダクタソリューションズが高解像度とオートフォーカス(AF)性能を両立する新たな画素構造「RB2×2 OCL」を採用したイメージセンサーを開発した。1/2型で有効約6400万画素のセンサーで、主にスマートフォンの望遠カメラ向けを想定。この構造を量産品に搭載するのは「業界初」(同社)という。今回、開発担当者らに話を聞いた。
デバイス設計、プロセス技術、アルゴリズムの垂直統合で誕生
もっとも、この構造を実現することは容易ではなかったという。土井氏は「従来のOCLであれば同じサイズのレンズを均一に配置すればよいが、今回は1×1と2×2が混在しているため、そのサイズバランスをどう成立させるかが設計上の大きなチャレンジだった」と振り返る。また、製造面においても、均一な構造が並んでいるわけではないため、ばらつきを抑えて量産する技術が要求された、とした。
この特殊な画素配列による画質性能をさらに高めるため、専用のリモザイク(配列変換)処理アルゴリズムも、新たに開発した。詳細は明かせないとするが、グリーン信号による解像度のメリットを生かすためのアルゴリズム採用。また「こうした構造はメリットばかりではないため、それ(デメリット)を信号処理で回避する工夫も行っている」とも語った。こうして画素構造と信号処理を一体で最適化することで、優れたAF性能を維持しつつ、従来品LYTIA 601と比べ、解像本数20%以上の向上を実現した。
AF性能については、2×2 OCL側に関しても性能を最大限引き出せるようデバイス構造を設計しているほか、アルゴリズム面でも構造上のデメリットを緩和する工夫を取り入れているという。土井氏は「全面2×2 OCL構造のセンサーと比べても、実用環境では相当暗いところまで性能差がほぼ分からないレベルまで仕上げている」と説明。一般的な実用環境であれば、全面2×2 OCL構造のセンサーとほぼ同等のAF性能を実現しているとした。
土井氏は「LYTIA 610は、デバイス設計技術、プロセス技術、さらにアルゴリズムの垂直統合という、ソニーならではの強みによって実現した製品だ」と強調していた。
1/2型センサーで4K 120fpsに対応
LYTIA 610ではまた、ロジック回路に微細プロセスを採用し低消費電力化を図るとともに、A-Dコンバーターを多並列化して最適化することで、1/2型センサーとして従来比2倍となる高速なデータ読み出しを実現したという。なお採用したロジック技術については、「従来はかなりハイスペックなセンサー向けだったロジック技術を、今回1/2型という小型センサーへ適用した」(製品企画を担当するソニーセミコンダクタソリューションズ モバイルシステム事業部 モバイル商品2部の海部敬太氏)としている。
この読み出し速度向上によって、SSSの1/2型センサーとして初めて4K 120fps撮影に対応。動きの速い被写体の滑らかな描写や、高品位なスローモーション撮影が可能になったとしている。また、明暗差の大きなシーンに対応するHDR画質で4K 60fpsの撮影も対応する。同社は「こうした動画性能の向上によって、メインカメラとの切り替え時に生じやすい画質のズレや見え方の変化を軽減し、複眼カメラ間でのスムーズな切り替わりなど、シームレスな動画撮影体験を可能にする」としている。
LYTIA 610は2026年6月末に量産出荷を開始し、スマホの望遠カメラ向けに展開していく。海部氏は「SNSや動画配信の普及によって、望遠カメラにも高精細な撮影性能や高速AF性能、スーパースロー撮影などが求められるようになっている。LYTIA 610は、1/2型で、望遠カメラに求められる性能に特化し開発した製品だ」と語っていた。
| 型名 | LYTIA 610 | |
|---|---|---|
| イメージサイズ | 1/2.0型(対角8.095mm) | |
| 有効画素数 | 約6400万画素 | |
| ユニットセルサイズ | 0.7μm(H)×0.7μm(V) | |
| カラーフィルター | Quad Bayer Coding | |
| OCLパターン | RB2×2 OCL | |
| フレームレート | 64Megapixels(4:3) | 24fps |
| 16Megapixels(4:3) | 60fps 30fps(DAG-HDR) |
|
| 4K2K(16:9) | 120fps 60fps(DAG-HDR) |
|
| 電源電圧 | アナログ | 2.8/1.8V |
| デジタル | 0.81V | |
| インタフェース | 1.8V or 1.2V | |
| 出力インタフェース | MIPI C-PHY 2/3trio, Max.4.5Gsps/trio MIPI D-PHY 2/4lane, Max.2.5Gbps/lane |
|
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