2次元半導体を用い室温で発光を電気的に制御、東大ら:HfNをゲート電極として採用
東京大学大学院工学系研究科のTUNG Vincent教授らによる国際共同研究グループは、台湾・中央研究院応用科学研究センターと共同で、2次元半導体「単層二硫化モリブデン」を用い、室温で発光の強さを電気的に制御できる光電子デバイスを開発し、その動作実証に成功した。
5000平方μm超の大面積領域でも発光制御が可能に
東京大学大学院工学系研究科のTUNG Vincent教授が参画する国際共同研究グループは2026年7月、台湾・中央研究院応用科学研究センターのYu-Jung Lu准研究員らと共同で、2次元半導体「単層二硫化モリブデン(MoS2)」を用い、室温で発光の強さを電気的に制御できる光電子デバイスを開発し、その動作実証に成功したと発表した。
原子1層の厚みを持つ2次元半導体は、次世代の光デバイス材料として期待されている。この代表的な材料が単層MoS2である。ところが、面積の大きい材料を用い、室温で安定かつ効率的に発光させることは、極めて難しいといわれてきた。
研究グループは今回、単層MoS2とハフニウムナイトライド(HfN)ゲート電極を組み合わせ、MoS2中の電荷状態を効率よく制御することに成功した。この結果、発光強度において約24%の変調を実現した。この値は、従来の高濃度ドープシリコンゲートを用いた時に比べ約5倍の変調効率に相当するという。しかも、5000μm2超の大面積領域で発光を制御できることが分かった。
さらに今回、金属ナノ粒子と金属鏡構造からなるプラズモニック共振器を採用した。この構造は、光を極めて小さな空間に閉じ込め、MoS2との相互作用を強める役割を果たしているという。これにより、発光強度を46倍に増強しながら、電気的な発光制御を維持できることが明らかになった。
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