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「不揮発性メモリワークショップ(NVSMW)」の黎明期福田昭のストレージ通信(318) 国際メモリワークショップ(IMW)の50年(2)

「不揮発性メモリワークショップ(NVSMW:Non-Volatile Semiconductor Memory Workshop)」は、「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」の前身となったカンファレンスだ。今回はNVSMWの黎明期に当たる約10年間について説明する。

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1976年にIMWの前身である「不揮発性メモリワークショップ」が始まる

 半導体メモリ技術を専門とする国際学会「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」が2026年5月10日〜13日にベルギーのルーベンで開催された。IMWの前身である「不揮発性メモリワークショップ(NVSMW:Non-Volatile Semiconductor Memory Workshop)」が初めて開催された1976年8月から数えると、50周年に相当する。

 そこで2026年のIMWでは、50周年を記念した招待講演「Special Talk: 50 yr History of IMW」が実施された。講演者はベルギーの研究開発機関imecでディレクターをつとめるJan Van Houdt氏である。同氏は1987年にKU Leuvenを卒業し、1988年にimecに入る(imecの設立は1984年)。不揮発性メモリの研究開発に携わり、1999年にはメモリ研究グループの主任(リーダー)、2011年にはフラッシュメモリ開発の部長(ディレクター)、2019年には強誘電体のプログラムディレクターを歴任してきた。2022年にはimecのフェロー(Fellow)に選ばれている(参考:imecのFellow紹介ページ)。

「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」の会場(ポスター発表兼レセプションの会場)。ベルギーのルーベンにある大学ホール(University Hall)で筆者が2026年5月に撮影したもの
「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」の会場(ポスター発表兼レセプションの会場)。ベルギーのルーベンにある大学ホール(University Hall)で筆者が2026年5月に撮影したもの[クリックで拡大]
2026年の「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」で事前に公表されたプログラムの一部。講演番号「2.1」(緑色の線で囲んだ部分)がIMWの50周年記念講演
2026年の「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」で事前に公表されたプログラムの一部。講演番号「2.1」(緑色の線で囲んだ部分)がIMWの50周年記念講演[クリックで拡大]

 講演は半導体メモリの研究開発を国際学会という側面から知る上で、とても参考になる内容だった。そこで本コラムは前回から、Jan Van Houdt氏の講演概要をシリーズ(連載)でお届けしている。

およそ18カ月間隔で2カ所を往復して開催

 前回では「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」の前身である、「不揮発性メモリワークショップ(NVSMW:Non-Volatile Semiconductor Memory Workshop)」が開催されるまでの経緯をご紹介した。今回は不揮発性メモリワークショップ(NVSMW)の黎明期をご説明する。

 前回でも述べたように、不揮発性メモリワークショップ(NVSMW)は1976年8月に米国コロラド州ベイル(Vail)で始まった。ベイルは米国最大の滑走面積を誇るスキーリゾートとして知られる。ベイルのオフシーズンである8月に学会を開催するのは、会場のコストを削減するためだとみられる。リゾート地のオフシーズンに学会を開催すること自体は、珍しくない。

 翌年の1977年8月には、第2回のNVSMWが同じベイルで開催された。この段階で今後の開催方式が決まった。開催間隔は約18カ月(約1年半)であり、筆者の知る限りではかなり珍しい。開催月は3月と8月。開催場所は3月がカリフォルニア州モントレー、8月がベイルである。なおモントレーは19世紀に漁港として繁栄した古い街であり、現在は魚介類を名物とするリゾート地となっている。

 1979年3月には、第3回のNVSMWが初めてモントレーで開催された。当時の不揮発性メモリ技術で最も有力だったのは電荷捕獲(チャージトラップ)方式である。宇宙用と軍用が半導体市場の重要な応用分野であり、耐放射線性という特長がこれらの用途で期待された。


不揮発性メモリワークショップ(NVSMW)の黎明期。IMW 2026におけるJan Van Houdt氏の招待講演「Special Talk: 50 yr History of IMW」のスライドから筆者が再構成したもの[クリックで拡大]

米国の半導体関連企業と国立研究所の研究者が運営を主導

 NVSMWの黎明期で運営を主導したのは、米国の研究者だ。半導体メーカーや電子機器メーカー(半導体研究部門)、国立研究所などに所属する研究者がコミッティ(実行委員会)のメンバーをつとめた。

 総合チェア(実行委員長)と技術チェア(技術プログラム委員長)の顔ぶれを第1回〜第8回まで眺めると、所属組織にはRCA、Westinghouse、Sperry、DEC、Inmos、NCRといった懐かしい名前が並ぶ。なおInmosの本社は英国なので、ここに登場したInmosは米国の子会社だと思われる。


不揮発性メモリワークショップ(NVSMW)の黎明期(続き)。IMW 2026におけるJan Van Houdt氏の招待講演「Special Talk: 50 yr History of IMW」のスライドから筆者が再構成したもの[クリックで拡大]

(次回に続く)

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