AI向けの売り上げ3倍目指す TDKのエコシステム成長戦略:注目技術を紹介(2/2 ページ)
TDKは2026年9月1日、投資家向け説明会「TDK Investor Day」を開催し、企業価値向上に向けた最先端技術の取り組みなどを紹介した。
予知保全ソリューション、スマートグラスプラットフォームなど開発
TDK執行役員で米州本社ゼネラルマネジャーや技術・知財本部の副本部長兼米州R&Dセンター長を務めるJim Tran氏は、フィジカルAIに関するTDKの技術および成長戦略を紹介した。
TDKは2024年、エッジAIによる工場や倉庫の効率化ソリューション「edgeRX」を手掛ける会社「TDK SensEI」を設立した。設立当初は状態基準保全の提供からスタートしたが、AWS(Amazon Web Services)との提携によってクラウドコンピューティング機能を実装し、予知保全や自律型処方保全もサポートした。
「予知保全市場は、2024年から2030年にかけて35%の成長が見込まれる。市場を見るとクラウド型ソリューションのみを提供するケースや、機能の限られたセンサー製品を提供するケースが多く見られる。TDKは、導入しやすく複数の機能を備えたエッジセンサーデバイスと、クラウドAIの計算力を組み合わせたトータルシステムソリューションを提供する必要があると考えている」(Tran氏)
フィジカルAI関連では、2025年にアイトラッキング技術を提供する米「SoftEye」を買収し、拡張現実(AR)プラットフォーム事業を立ち上げた。SoftEyeの技術とTDKが持つレーザーモジュール、MEMSミラーなどの技術を組み合わせ、スマートグラスのプラットフォーム提供を目指す。
AIアプリケーションの開発には膨大な学習用データが必要で、AI開発工数の約80%をデータの収集、整理が占めるという。そこでTDKは、サンプルデータを拡張/合成することで、少量のデータで高精度な学習を実現するソフトウェア「SensorGPT」の開発を進める。幅広い種類のセンサーで使える汎用性、特定メーカーに依存しない柔軟性、簡単に使えるユーザーインタフェース(UI)を持たせることが目標で、実現すればAIアプリケーションの開発期間短縮に貢献できるとする。
2026年6月には、独自の金属3Dプリント技術「電気化学的アディティブ・マニュファクチャリング(ECAM)」を有する米国Fabric8Labsの買収を発表した。半導体チップの冷却部品「コールドプレート」の内部構造体への活用を想定する。現在は規制当局の承認を待っている状態で、Fabric8Labsの買収完了後、データセンター向け熱マネジメント市場への参入を計画している。
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