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塗って乾かすだけ、異種材料を強固に接合する新技術7MPaを超える強度で接合できる

物質・材料研究機構(NIMS)は、溶液を塗って乾かすだけで異なる材料を強固に接合できる技術を開発した。接着しにくい素材同士であっても、7MPa超という強度で接合できることを確認した。

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金属やガラスと、プラスチックなどを多孔質アンカー層でつなぐ

 物質・材料研究機構(NIMS)は2026年9月、溶液を塗って乾かすだけで異なる材料を強固に接合できる技術を開発したと発表した。接着しにくい素材同士であっても、7MPa超という強度で接合できることを確認した。

 自動車や柔軟な電子デバイスなどでは、金属やガラスなど「硬い無機材料」とゴムやプラスチックなど「柔らかい高分子材料」を融合させる「マルチマテリアル化」のニーズが高まっている。ただ、接合箇所の耐久性など課題などもあった。これに対し、素材に適した接着剤の開発や機械加工による強度向上などの手法もあるが、環境負荷などの点で問題となっていた。

 研究チームは今回、接着層に「構造」を持たせることで異種材料をつなぐ新たな手法を考案した。具体的には、「粘弾性相分離」という物理現象を利用した。溶液を塗って乾かすだけで、大きさがナノ〜マイクロメートルサイズの孔を持つ網目状の「多孔質アンカー層(PPA)」を形成した。これにより、ガラスとは化学的な親和性によって結合しつつ、高分子とは細かな孔に入り込ませて物理的にかみ合わせるという「役割分担」の設計を行うことで、強固な接合を可能にした。


今回の研究概要とその効果[クリックで拡大] 出所:NIMS

粘弾性相分離に基づくPPAの形成機構[クリックで拡大] 出所:NIMS

 PPAの考え方を検証するため、ガラス基材と相性の良い極性高分子を選び、溶媒の種類や組成を工夫しながら、相分離ネットワークが固まるタイミングを制御した。これによって、ナノレベルからマイクロメートルレベルという大きさの多孔膜が得られた。しかも、直径6インチ(150mm)という大面積に成膜をすることが可能だ。

 実験では作製した多孔膜に対し、被着体であるスチレン−ブタジエン系の熱可塑性エラストマーを陥入させることで、白く濁っていた多孔膜が透明化した。こうして出来上がった複合構造体は、垂直引張試験で7MPa超の接合強度となった。この数値は、多孔層を含まない場合や、平たんな塗膜と比べおよそ2倍だという。


実際の多孔膜および複合体の様子[クリックで拡大] 出所:NIMS

 高い耐久性が得られる理由について、計算機シミュレーションを用いて検証した。平たん面で2つの素材を貼り合わせると、わずかに引き伸ばしただけでその界面にひずみが生じ破断する。これに対し、相互に陥入したPPA型の構造だと、界面に沿った破断が起こりにくいことを確認した。


モデル計算とPPAによって耐久性が向上する仕組み。界面が平たんな場合とPPA界面の比較[クリックで拡大] 出所:NIMS

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