量子コンピュータと量子暗号(後編):福田昭のデバイス通信(526) 2026年度版実装技術ロードマップ(9)(1/3 ページ)
「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要を、シリーズで報告している。前回に続き、「2.2.1.3 量子コンピュータと量子暗号」の概要を説明する。
(ご注意)今回は前編の続きです。まず前編を読まれることを強く推奨します。
「2.2.1.3 量子コンピュータと量子暗号」の概要(後半部)を説明
前編(前回)では、「2.2.1.3 量子コンピュータと量子暗号」の概要(前半部)を述べた。今回(後編)は「2.2.1.3 量子コンピュータと量子暗号」の概要(後半部)をご説明する。
前編で述べたように、量子コンピュータの情報単位は「量子ビット(qubit、キュービット)」であり、量子ビットは、「1」あるいは「0」、あるいは「1と0が重ね合わさった状態」のどれかをとる。3番目の「1と0が重ね合わさった状態(重ね合わせの状態)」の存在が、量子コンピュータの性能が特定用途では従来のコンピュータ(古典コンピュータ)を大きく超える理由だ。
量子ビットは「1と0が重ね合わさった状態(重ね合わせの状態)」を数多くかつ同時に維持できる。同時に扱える状態の数は、量子ビット数を「N」とすると、「2のN乗」となる。仮に量子ビット数を3キュービット(N=3)とすると、同時に8通りの状態を扱える、すなわち並列に演算できる。量子コンピュータでは演算器が扱う量子ビット数を増やすことで、同時並列に演算可能な組み合わせの数が指数関数的に増大する。古典コンピュータでは実用的な時間で完了させることが困難な計算も、量子コンピュータだと極めて短い時間で処理可能になる。
具体的な応用には、選択肢が増加すると計算量が急激に増加する「組合せ最適化問題」や、膨大な数の分子構造からシミュレーションによって性質をあらかじめ把握する「分子シミュレーション」などが考えられている。
量子コンピュータはGoogleやIBMなどが積極的に開発中
前編では量子ビットを物理的に実現する手法には、超伝導(超伝導)方式やイオントラップ方式、光量子方式などがあると述べた。量子コンピュータの具体的な開発事例には、Googleの「Willow」やIBMの「Nighthawk」などがある。
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