三菱電機、NVIDIA対応AIデータセンターの電力/冷却を丸ごと設計:Vera Rubin NVL72など対応
三菱電機の米国子会社Mitsubishi Electric Power Productsが、NVIDIAの「Vera Rubin NVL72」などに対応する次世代AIデータセンター向け「Chip-to-Grid DSXリファレンスデザイン」を開発、公開した。AIデータセンター建屋内部にとどまらず、系統接続からGPUなどのチップへの電力供給、ラックから施設全体にわたる冷却までを統合的に設計した。
三菱電機の米国子会社Mitsubishi Electric Power Products(以下、MEPPI)は2026年9月22日(米国時間)、NVIDIAの「Vera Rubin NVL72」などに対応する次世代AIデータセンター向け「Chip-to-Grid DSXリファレンスデザイン」を開発、公開したと発表した。
AIデータセンター建屋内部にとどまらず、系統接続からGPUなどのチップへの電力供給、ラックから施設全体にわたる冷却までを統合的に設計したもので、Vera Rubin NVL72など、NVIDIA次世代GPUプラットフォームに対応。将来見込まれるギガワット級データセンターにも対応する拡張性も有するという。
ギガワット級まで拡張可能
Chip-to-Grid DSXリファレンスデザインは、電力系統との接続からデータセンター敷地内のオンサイト発電および蓄電システム(BESS)、中電圧配電、電力変換、GPUラック、冷却、排熱までを一体的に設計するものだ。
「Chip-to-Grid」の重要インフラ全体像。系統接続、オンサイト発電、BESS、配電、AIコンピュート向け電源設備、冷却/排熱システムなどで構成する[クリックで拡大] 出所:Mitsubishi Electric Power ProductsのHP
データセンター敷地内にはオンサイト発電システムとBESSを配置。平常時は電力会社の系統と接続しつつ商用系統への依存度を抑え、系統事故時にはマイクログリッドとして自立運転に切り替える。建屋内では415/480VACに加えて800VDC配電にも対応し、高密度AI負荷向けのデュアルループ冷却方式を組み合わせる。
基本単位となる「Building Block」のIT負荷は約250MWで、4つのコンピュートホールに計1344台のGPUコンピュートラックを収容。MEPPIは、このBuilding Blockを基本に1GW規模まで拡張できるとしている。また、電源/冷却設備をモジュール化することで、段階的な拡張にも対応する。
構成例。コンピュートデータホールの他、変電設備、BESS、オンサイト発電設備、電気設備ヤード、冷却設備などを配置する[クリックで拡大] 出所:Mitsubishi Electric Power Products
将来世代のGPUを見据えた800VDC配電
電源システムでは、顧客ごとに異なる可用性や運用要件に対応するため、「Maximum Availability」「Balanced Availability」「Next Generation DC」の3種類の電力供給トポロジーを用意した。
Maximum Availabilityは、下流側に無停電電源装置(UPS)と発電機によるバックアップ電源を配置し、ローカルでのレジリエンスを重視する。Balanced Availabilityは下流側の設備を減らす一方、上流側の電力系統や発電設備、BESS、燃料設備、中電圧配電などを活用する。
Next Generation DCでは、中電圧から直流への電力変換を集中化し、ネイティブ800VDC配電を採用する。将来の高密度AIプラットフォームを想定した構成で、将来世代のGPUに向けた800VDC電力変換への移行パスを提供する。またMEPPIは「GPUにおける99.999%および99.9%の可用性を支える配電アーキテクチャ」を盛り込んだとしている。
液冷を軸に14MW単位で拡張
GPUの高密度化に伴う発熱量の増加には、液冷を軸とした冷却システムで対応する。14MWの「Cooling Block」を基本単位とし、標準構成では、高温側の直接液体冷却と低温側の冷水を用いた空気冷却を組み合わせるデュアルループ方式を採用した。
ラックの電力密度が高まるにつれて、GPUなどから発生する熱を液冷で直接回収する割合を増やす。よりシンプルな構成を求める場合には、シングルループ液冷も選択できる。排熱にはドライクーラーを優先的に利用し、機械式冷凍への依存を抑える。電源/冷却設備をモジュール化することで、段階的な拡張にも対応する。
三菱電機グループは、UPSやBESS、高/中電圧遮断器、変圧器、電力変換設備、CDU(Coolant Distribution Unit)など、データセンター向けの電源/冷却関連製品を幅広く展開している。こうした製品や技術を組み合わせ、電力系統からデータセンター建屋内の電源、冷却までを含めたソリューションを総合的に提供する。
三菱電機は、データセンターの電力最適運用化を支援するソリューション事業を重点施策に位置付けている。今後、データセンター事業者に対して今回のリファレンスデザインに基づくソリューションを提供し、世界市場での事業拡大を図るとしている。
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