建設現場で2時間45分連続計測 汗中イオンセンサー:汗中のイオンに応答する信号を取得
東京理科大学は、汗に含まれるナトリウムイオンとカリウムイオンに応答する信号を連続して計測できる「ウェアラブルセンサー」を開発した。実際の建設現場では、約2時間45分にわたってリアルタイムで信号を取得できることを確認した。暑熱環境における体調管理などへの応用が期待される。
スクリーン印刷型電極、試料搬送機構、無線計測回路を統合
東京理科大学創域理工学部先端化学科の四反田功准教授、同大学大学院創域理工学研究科先端化学専攻の藤澤拓真氏(2026年度修士課程2年)らによる研究グループは2026年10月、汗に含まれるナトリウムイオンとカリウムイオンに応答する信号を連続して計測できる「ウェアラブルセンサー」を開発したと発表した。暑熱環境における体調管理や水分補給支援などへの応用が期待される。
皮膚に直接装着できるウェアラブルセンサーは心拍数や呼吸数に加え、体液中の成分なども測定できる。中でも、汗に含まれるナトリウムイオンやカリウムイオンを連続的に測定できるセンサーは、イオン濃度を測定することで水分補給の状態などを把握できる。ただ、従来のイオンセンサーは、参照電極を安定させるための事前調整に長い時間を要していた。
研究グループは今回、スクリーン印刷型液絡参照電極と、ナトリウムイオン選択性電極、カリウムイオン選択性電極、布および高吸水性繊維からなる試料搬送層、独自開発の腕時計型無線計測装置を単一のデバイスに統合して一体化した。
作製したデバイスの評価を行った。感度はナトリウムイオンセンサーが48.3mV/decade、カリウムイオンセンサーが46.4mV/decadeであった。液絡型参照電極の電位変化は、10mM塩化ナトリウム水溶液中で3000秒間に約6mVとなった。液絡層を設けていない参照電極は電位が経時的に変動し続けた。これにより、液絡層が電位の安定に関与していることを確認した。
さらに、作製したセンサーを作業員が装着し、実際の建設現場で評価した。この結果、約2時間45分にわたり、ナトリウムイオンとカリウムイオンのそれぞれに応答する電位信号をリアルタイムで取得し、無線送信とデータ保存ができることを実証した。
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