AIはクラウドから現場へ 台湾が示す電子産業の進化:「TAITRONICS 2026」開幕(2/2 ページ)
台湾・台北で2026年10月20日、電子産業の展示会「TAITRONICS & AIoT Taiwan 2026」が開幕した。260社が出展し、エッジAIや次世代通信、スマートエネルギーなどの技術を紹介する。開幕式では、AIの産業応用の拡大に向けた台湾の強みや、電子産業のグローバル展開に関する取り組みが強調された。
台湾の電子産業、サプライチェーン全体で世界へ
開幕式では、台湾の電子産業の海外展開についても言及があった。
Lin氏によると、TEEMAは台湾企業の海外進出を支援する取り組みとして、米国、ポーランド、メキシコ、インドの4地域で産業団地の整備を推進している。個々の企業にとどまらず、台湾のサプライチェーン全体で海外展開を進め、現地企業との協業や新たな価値の創出につなげる狙いだ。
台湾経済部国際貿易署 署長のWilliam Liu氏は、台湾の電子産業がAI関連製品の需要拡大を背景に成長していることを強調した。台湾財政部が2026年9月に公表した統計によると、2026年1〜8月の台湾のコンピュータおよびその付属装置の輸出額は1926億米ドルに達し、前年同期比87.5%増加した。
Liu氏は、台湾の半導体/電子産業の強固なサプライチェーンや製造技術、人材が、世界的なAI需要の拡大に対応する上で重要な強みになるとの認識を示した。
台湾政府は、企業の海外進出支援も進めている。Liu氏は、台湾企業が海外投資に際して直面する言語や文化、規制の違いなどの障壁を挙げ、海外の貿易/投資支援拠点や現地の専門機関と協力し、企業の海外展開を支援する取り組みを紹介した。
AIチップや次世代通信、スタートアップの技術が集結
会場では、台湾経済部産業発展署がテーマ館を設け、AIチップ、次世代通信、産業のAI化、スマートディスプレイ、スタートアップ支援の5分野に関する計65件の技術を紹介する。スタートアップ向けの「Big Bang Startup Zone」には、11カ国から31社が参加し、エッジAIやスマート製造、航空関連などの技術を披露する。
会期中は、プリント配線板(PCB)関連技術を扱う「TPCA Show 2026」も同時開催される。電子部品や半導体からAIシステム、電子機器の製造まで、台湾の電子産業の幅広い技術を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「1兆ドル市場に乾杯」 SEMICON West 2026開幕
半導体関連の国際展示会「SEMICON West 2026」が2026年10月13日(米国時間)、米国サンフランシスコで開幕した。初日に開催された「CEO Summit」では、世界半導体市場が1兆米ドルを突破したことを祝う乾杯が行われた。米国では半導体製造の自国回帰が着実に進展している。米国における半導体エコシステムへの投資額も、1兆米ドルを超える道筋が見えてきた。
TSMCが日本に期待するもの グローバル戦略での役割を日本法人社長に聞く
AI需要の拡大を背景に、半導体市場は今後も成長が見込まれている。TSMCは、トランジスタの微細化に加え、先端パッケージングや光接続などの技術開発を加速している。こうした中、日本の設計、研究開発、生産拠点は、TSMCのグローバル戦略においてどのような役割を担うのか。TSMCジャパン 社長の小野寺誠氏に、AI時代の技術課題や日本企業との連携について聞いた。【修正あり】
「台湾の強さ」見せつけたCOMPUTEX TAIPEI 2026
2026年6月2〜5日に台湾・台北で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2026」は、半導体産業/サプライチェーンにおける台湾の強さを証明した見本市となった。そして、同イベントで最大のスターだったのは、言うまでもなくNVIDIA CEOであるJensen Huang氏だった。
半導体産業を下支え 台湾スタートアップの「3つの特徴」とは
半導体製造やEMS(電子機器受託製造サービス)などで大きな存在感を放つ台湾。台湾がなぜ、これほどまでにエレクトロニクス/ICT産業で強いのか――。本連載では強さの源泉を探る。
半導体誘致で対照的な日韓、共通する「官」「民」のズレ
半導体工場の誘致を目指す韓国・光州のフォーラムに参加した。しかし、誘致対象のSamsung ElectronicsとSK Hynixの姿はなく、政府の熱意と企業の姿勢には隔たりがうかがえた。半導体産業を巡る状況は対照的な日韓だが、「官」と「民」の意思のズレは共通する。両国の事例から、企業の実態と意思を踏まえた半導体戦略の必要性を考える。

