Wi-Fi 8の高速通信技術を検証 J:COM新R&Dセンターの取り組み:AI活用ネットワーク運用も
JCOM(以下、J:COM)は「CEATEC 2026」(2026年10月13〜16日、幕張メッセ)に出展し、同社R&Dセンターにおける取り組みを紹介した。Wi-Fi 8の高速通信技術であるDSO、NPCAの実証実験や、AIを活用したネットワーク運用システムの構築などを行う。
JCOM(以下、J:COM)は「CEATEC 2026」(2026年10月13〜16日、幕張メッセ)に出展し、同社R&DセンターにおけるWi-Fi 8実証実験などの取り組みを紹介した。
Wi-Fi 8の新機能で動画1GBを16秒でダウンロード
ケーブルテレビやインターネット回線などを提供するJ:COMでは、これまでの研究開発は2〜3年程度で実用化できる、収益性の高い技術が中心だったという。しかし社会や技術が変化する中、より先を見据えた技術の研究開発基盤が必要だと考え、2026年4月にR&Dセンターを新設した。
同センターでは2026年7月からWi-Fi 8の実証実験として、通信チャンネルを動的に分割し、端末の要求に応じて空いている周波数帯域を割り当てる「DSO(Dynamic Sub-band Operation)」、近隣Wi-Fiネットワークが使用中でも空いているサブチャンネルで送信を継続する「NPCA(Non-Primary Channel Access)」の2機能を検証。Wi-Fi 7通信時と比較して、通信速度はDSOで13%、NPCAで26%向上し、応答時間はDSOで60%、NPCAで53%短縮できることを確認したという。
ブースでは干渉波が発生したネットワーク環境で、1GBの動画ファイルをダウンロードするデモを実施。Wi-Fi 6が32秒、Wi-Fi 7が22秒かかるのに対し、Wi-Fi 8は16秒で完了と、混雑環境でも高速通信できることをアピールしていた。
J:COM担当者は「多接続環境や電波干渉時において、Wi-Fi 8はWi-Fi 6/7よりも通信速度、応答性ともに優位で、干渉数が増えるほどその優位性が顕著になることを確認できた。Wi-Fi 8自体まだ研究段階の技術だが、サービス提供を検討する時期になったら同実験で得られた知見などを取り入れていきたい」とする。
AIを活用したネットワーク運用システムも構築中
R&Dセンターでは、AIを活用したネットワーク運用高度化の取り組みも進めている。従来だとネットワークの監視は人間の役割で、異常が起きた際は手動で対応しているが、J:COMはAIエージェントがネットワーク障害を自動で検知し、ネットワーク診断から復旧方法の提案まで一貫して行うシステムを構築。人間はAIエージェントからの通知内容を確認し、妥当な内容だと思えた場合は承認コマンドを送るだけで、AIエージェントが自動復旧してくれるという。
人間側の選択肢は承認/否認の2択で、否認を選んだ場合はAIエージェントが診断から再度行う。ここで選択に幅を持たせたり、人間が介入できる仕組みにすると誤った推論が行われる可能性があるため、あえてシンプルな構造にしている。現状は動作することを検証できた段階で、モデルケースを増やす、小規模な環境で動かしていくなど、実用化に向けてどのような取り組みを行うか、これから決めていくとしていた。
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