「xEVはスムーズな機能連携が鍵」 ADI最新技術で支援:自動車は歴史上最大の変革期(2/2 ページ)
アナログ・デバイセズ(ADI)はメディア向け説明会を開催し、電動車(xEV)を取り巻く技術動向や、それに向けた同社の最新ソリューションを紹介した。機能の高度化が進む中「性能を十分に発揮するためには各機能をスムーズに連携させる必要があると考える」とする。
イーサネットでゾーンアーキテクチャ化するE2B
機能高度化に伴い、自動車のアーキテクチャは機能ごとにマイクロコントローラー(MCU)を用いる「ドメインアーキテクチャ」から、車両をいくつかのゾーンに分割し、司令塔の高性能プロセッサとゾーンごとを制御するマイクロコントローラー(MCU)で全体を統括する「ゾーンアーキテクチャ」への移行が進んでいる。
沓掛氏は、ゾーンアーキテクチャの設計において、ADIの10BASE-T1Sベースの技術「E2B(Ethernet to the edge Bus)」が最適だと述べる。ゾーンアーキテクチャによって車両ネットワークを簡潔にできるうえ、イーサネット技術のため自動車の上層レイヤーを走るイーサネットとの親和性が高く、車両ネットワークとセキュリティシステムを統合した構成が実現できるという。
EISでバッテリー全体を管理
センシングから通信、情報処理までのスムーズな連携は、車両ネットワークだけでなくバッテリーにも活用できる。そこで活躍するのが電気化学インピーダンス分光法(EIS)だ。
EISは、バッテリーセルに励起電流を印加して得られた電流と電圧からインピーダンスを算出する。それをさまざまな周波数で行いグラフ化することで、温度やチャージ状態など、バッテリーセルの詳細な状態をリアルタイムで監視できる。沓掛氏は「これからの電動化において、EISで得られる詳細な情報を活用して、バッテリー全体を賢く管理していくことが重要になる」とした。
「高度な車両ネットワーク実現のためにはセンサーから通信、演算処理、ソフトウェアまで包括的な技術が必要なため、ADI単独では提供できない。だからこそ、これからの自動車作りには自動車メーカー、半導体メーカー、ソフトウェアメーカーなど、業界全体で協力していくことが大事だ。単に製品を提供するだけではなく、顧客と一緒に課題を考えながら共同開発することで、迅速な製品化をサポートしたい」(沓掛氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ADI、AI半導体新興を13億ドルで買収 フィジカルAI強化
Analog Devices(ADI)は、エッジAI向けマイコンやプロセッサを手掛けるAlif Semiconductorを13億5000万米ドルで買収する。AlifのAI処理技術とADIのアナログ/センシング技術などを組み合わせ、物理世界でAIを活用する「フィジカル・インテリジェンス」向けソリューションを強化する。
ADI日本法人新代表が語る「追い風」 AI時代にアナログ半導体が担う役割
2026年1月1日付でアナログ・デバイセズの代表取締役に就任した齊藤秀明氏。AIが半導体市場をけん引する中、アナログ半導体を手掛けるメーカーとして、どう勝負していくのか。同氏に日本の事業戦略を聞いた。
AECやロードノイズ対策を訴求 ADIの車載オーディオソリューション
アナログ・デバイセズ(ADI)は「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」に出展し、自動車向けのオーディオソリューションを紹介した。センサーやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)といったハードウェアからソフトウェアまで一貫して手掛けることが強みだ。
ADIがEmpower買収 データセンター市場に照準
Analog Devices(ADI)が、統合化定電圧回路(IVR:Integrated Voltage Regulator)を専業とするスタートアップEmpower Semiconductorを買収した。どのような狙いがあったのか。
ADI、タイに後工程の新工場開設 グローバル戦略の重要基軸
Analog Devices(以下、ADI)は2026年3月19日(米国時間)、タイに新たな製造施設を開設したと発表した。タイ拠点のクリーンルームや製造キャパシティーを強化し、テストやウエハーレベル加工、チップスケールパッケージング、最終ICテスト工程を拡大できるとする。


