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かつての栄光を取り戻せ、“Apple以外”を狙う中国のファブレスビジネスニュース 企業動向(3/3 ページ)

かつて、中国でMP3プレーヤ向けチップベンダーとして名をはせていたActions Semiconductor。同社は、中国のファブレス半導体企業としては、最も古い歴史を持つメーカーの1つだ。MP3プレーヤ市場の縮小や社内のいざこざで、衰退してしまった時期もあったが、新しい経営体制の下、復活に向けて着実に歩んでいる。それを支えている戦略の1つが、“Apple以外のメーカー”を狙うというものだ。

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MIPSからARMへの移行

 Zhou氏によると、同氏がActionsのCEOに就任した頃、同社は途方もない数のプロジェクトを抱えていたという。その対象となっていたのは、縮小傾向にある市場や、あまりにニッチで対応が困難な市場だった。Lee氏は、「私の最初の目標は、ターゲットを絞り込むこと。この1点に尽きた」と述べている。

 Actionsは、同社の第1世代品となる、MIPSベースのタブレット端末向けSoCの価格を下げることで、ホワイトボックスタブレット市場への攻撃を開始した。

 こうして、急速に成長するタブレット端末市場への参入に向けて足掛かりをつかんだActionsは、第2代品として、ARMベースのタブレット端末向けSoC「OWLシリーズ」を投入するまでになる。

 Zhou氏は最近、金融アナリストとの電話会議において、「OWLシリーズの出荷数量が増加する見込みのため、2013年第1四半期におけるActionsのタブレット端末向けSoCの粗利益率は、35%に上昇するとみている」とコメントしている。


写真はイメージです

 Actionsは、MIPS TechnologiesとARMの両社からライセンス供与を受けている。Zhou氏は、「成熟市場であるポータブルメディアプレーヤ向けの半導体チップについては、引き続きMIPSのライセンスを利用していく。タブレット端末市場向けは、完全にARMコアに切り替えていく予定だ」としている。

 だが、ほとんど全ての競合メーカーがARMベースのアプリケーションプロセッサを投入している中で、このような戦略を取っても、大逆転を狙えるとは到底思えない。Zhou氏はこうした疑問に対し、「タブレット端末の接続性に関連する技術を向上して、差異化を図るつもりだ。さらに、用途を、教育や医療、飲食店といった特定の分野に絞っていく。加えて、セキュリティ機能を搭載することにより、クラウドサービスにおける双方向接続を実現していきたい」と説明している。

 Actionsは、2012年12月末時点で、2億2330万米ドルの現金を保有していた。BluetoothやWi-Fi、NFC(Near Field Communication)、GPSなどの近距離の無線通信ソリューションに投資できるだけの、十分な資金があるといえるだろう。Zhou氏は、2G/3G/4G対応の携帯電話向けベースバンドチップについての計画を問われると、「多額の投資が必要な上に、タブレット端末にとって携帯電話との接続技術が不可欠かどうかも不明だ。現在は、慎重に検討を進めている段階だ」と答えた。

 Actionsは、ローエンドからハイエンドまでのホワイトボックスタブレット端末に関するニーズに応えていきたいとしている。同社は、「ホワイトボックスベンダーにも、“ブランド”を立ち上げて有名になりたいという野心があるはずだ」とみている。こうした地元メーカーにチップを提供するのが、Actionsの戦略の主軸となっている。

【翻訳:青山麻由子、田中留美、EE Times japan、編集:EE Times Japan】

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