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韓国とフランス、無人自動車向け研究開発で協業へビジネスニュース 業界動向

韓国とフランスが共同で、無人自動車向けの研究プロジェクトを立ち上げる。無人自動車だけでなく、ウェアラブル機器やデジタル医療用機器に応用できる技術も開発していく予定だ。

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 韓国のKorea Joongang Daily紙によれば、韓国政府とフランス政府は、共同出資による研究開発プロジェクトを実施し、無人自動車用のソフトウェアや部品の開発に取り組むことを発表した。同プロジェクトではこの他にも、ウェアラブル機器やデジタル医療用機器などの開発も手掛けていくという。

 両国は、この共同研究開発プロジェクトを通じて、新しいビジネス分野における市場リーダーとしての座を獲得したい考えだ。同プロジェクトの担当者たちは、2014年11月末に開催されたフォーラムにおいて「韓国には強力なICT(情報通信技術)と製造技術があり、フランスにはこれまで培ってきた幅広い基礎科学と技術資源がある。これらによって相乗効果が生み出され、今回のプロジェクトは確実に成功するだろう」と述べている。このフォーラムには、韓国とフランスの政府当局者や研究者、民間企業の経営幹部たちなど200人以上が参加し、プロジェクトの詳細やスケジュールなどについて議論を交わした。

 プロジェクトには3つの分野があり、研究者や民間企業などによって構成されたワーキンググループが各分野に1つずつ設立された。

ウェアラブルや医療分野も

 韓国のLG ElectronicsやRenault Samsung Motors(ルノーサムスン自動車)、Hyundai Mobis(現代モービス)などの自動車部品/通信機器開発メーカーと、フランスのRenault Motorsは、無人自動車の主要部品であるレーダーや通信モジュールの共同開発に取り組む。

 また、国の研究機関である電子通信研究院(ETRI:Electronics and Telecommunications Research Institute)と、STMicroelectronicsの研究者から成るグループは、共同プロジェクトに参加することに合意し、ウェアラブル機器などのモバイル機器と車載用CPUの通信に必要なシステムの開発を目指す。

 さらに、韓国トップクラスの医科大学と、フランスのヘルスケア用ソフトウェア開発メーカーであるVoluntisは、個別化医療システム(オーダーメイド医療)の共同開発に取り組む。同システムは、遺伝的形質やDNA解析技術、ビッグデータ管理システムなどをベースとした治療計画によって構成され、患者の遺伝情報を迅速に解析することが可能だ。

 共同開発プロジェクトは、2015年に始動する。資金については、韓国とフランスの両国から217万ユーロ(約3億2000万円)を、欧州委員会(EC)の「ユーレカ(EUREKA)」プログラムからは745万ユーロ(約11億円)を調達している。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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