インフィニオンとUMCが関係拡大、車載向け130nmパワー半導体製造で合意:ビジネスニュース 企業動向
Infineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)とUMC(United Microelectronics Corporation)は、車載用途向けパワー半導体の製造委託で合意した。インフィニオンの車載用途向け130nmプロセス技術「SPT9」を用いて設計されたパワー半導体を、UMCの300mmウエハーファブで2018年前半より量産を開始する。
インフィニオンテクノロジーズとUMC(United Microelectronics Corporation)は2014年12月、車載用途向けパワー半導体の製造委託で合意した。インフィニオンが開発した車載用途向け130nmプロセス技術「SPT9」を用いて設計したパワー半導体を、UMCの300mmウエハーファブで2018年前半より量産開始する計画である。
インフィニオンは、これまでもロジックICチップを生産委託するなど、UMCとは15年以上も製造パートナーとして協力関係を保ってきた。今回は、その対象を車載用途向けパワー半導体まで拡大したもの。
SPT9は、マイクロコントローラの機能とパワー半導体の機能をシングルチップに集積することができる、インフィニオン独自の車載適合130nmプロセス技術である。このプロセス技術を台湾にあるUMCの300mmウエハーファブに共同で移管することにした。
インフィニオンは、2009年よりSPT9を用いた車載用パワー半導体の提供を始めた。複雑なロジック回路やセンサーインタフェース機能、パワーエレクトロニクス機能などをシングルチップに集積可能な技術である。3種類の異なる製造プロセス技術に対応することができるため、これまで困難であった機能ブロックまでシングルチップに取り込むことができる。この結果、部品点数を節減することができ、機能モジュールとしての品質向上や実装面積の削減を可能とした。
インフィニオンは、SPT9を用いた車載用パワー半導体製品として、パワーウインドやワイパー、サンルーフ、パワーシート、ファン/送風機、オイルポンプ/ウォータポンプなどに用いられる小型モータ駆動用ICや、エアバッグの制御IC、オーディオアンプICなどを挙げる。
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