産業用IoTに狙いを定めるNI、主力の「LabVIEW」プラットフォームを武器に:テストプラットフォームだけではない(3/3 ページ)
計測器メーカーのNational Instruments(ナショナルインスツルメンツ)は、産業用IoTに狙いを定めている。もともと得意分野である状態監視システムだけでなく、機器に実装してスマート化を図る組み込みモジュールの展開にも力を入れる。どんな用途にも同じプラットフォームで対応できることが最大の強みだ。
IICにも参画
NIは、IIC(Industrial Internet Consortium)に参画している。IICは、産業市場におけるIoT関連の標準化を目的として、インテルやIBM、シスコシステムズらが2014年3月に設立した団体だ。現時点で、NIは唯一の計測器メーカーである。Santori氏は、「IICは、産業用IoTの適用方法を模索している。産業分野におけるさまざまな用途でIoTが役に立つことを証明するには、テストのフレームワークを構築する必要がある」と話し、柔軟なテストシステムを提供できるNIがIICに貢献できると示唆した。
Santori氏は、「NIの多くの顧客が共通して抱えている課題は、データを収集してもそれをどうしていいか分からないということだ。計測データというものは、基本的にマシンの中にある。だが、マシンの中だけにとどまっていては何の意味もなさない。データがクラウドにアップされて共有されるなど、マシンの外に出て初めて、そのデータをビジネスチャンスに変えることができる」と語る。CompactRIO+InsightCMで構築するモニタリングシステムのような、NIが得意としてきた分野に加え、Single-Board RIOのように直接、機器に組み込んでIoT対応を実現するモジュールの提供など、計測器メーカーとしての枠組みを超えて、産業用IoTの普及促進を目指していくと強調した。
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