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TSMCが総額160億米ドルの設備投資を発表――台中拠点を拡張へ:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
TSMCは、台湾国内の既存工場の増強策として、5000億ニュー台湾ドル(約160億米ドル)を追加投資する計画を明らかにした。
2015年のTSMC投資額は115億〜120億米ドル
同社は、今後も最先端技術に対する堅調な需要が続くとみていることから、2015年の設備投資予算を、2014年比で11.5〜20%増となる115億〜120億米ドルに引き上げたという(関連記事:半導体メーカーの設備投資――TSMCが最大か)。
TSMCの共同CEOであるMark Liu氏は、2015年1月に行った業績発表会見において、「2015年の売上高成長率に関しては、業界が平均12%で伸びると予測されている中、TSMCの成長は数%にとどまるとみている」と述べている。
TSMCの2015年1〜3月における売上高は、前年同期比で50%増となる2210億〜2240億ニュー台湾ドルの間になる見込みだという。
Maybank Kim EngのアナリストであるWarren Lau氏によると、TSMCの2015年における売上高成長率は10%台半ばまで伸びる見込みだが、2015年後半には減速していく見込みだという。
台湾政府による中国への投資禁止措置の影響か
TSMCが台湾国内での投資を表明した背景には、中国が今後10年間で半導体生産量を急激に増加させていくとみる業界アナリストの予測がある。台湾政府は、台湾国内の雇用減少や技術の流出などを懸念して、台湾の半導体メーカー各社に対し、中国への投資を禁止する措置を講じている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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