特集
CMOSイメージセンサーが引っ張る3次元積層技術:ビジネスニュース 業界動向(2/2 ページ)
チップを積層し、TSV(シリコン貫通電極)などで接続する3次元IC技術。CMOSイメージセンサーでも、3次元化が進んでいる。
次は「ハイブリッド接合」
Cambou氏は、「現在、『ハイブリッド接合』と呼ぶ新技術の開発が進められているところだ」と述べている。「“ハイブリッド”と呼ぶのは、SiO2接合だけでなく、銅接合も使うからだ。この技術が市場に浸透するには、接合の精度が問題になるだろう。ただ、ハイブリッド接合の利点は、工程をより簡単にできることである。さらに、下のウエハーにおいて、ピクセル内での接続を実現できる可能性がある。これによりピクセルの性能が向上し、ピクセルサイズの低減という、次のステップに進むことが可能になるかもしれない」(同氏)。
CMOSイメージセンサー市場は、堅調に成長
CMOSイメージセンサーの業界をけん引しているのは、ソニーである。Samsung Electronicsなどの大手メーカーも後に続いている。
Yole Développementによれば、CMOSイメージセンサーの市場規模は、2015年には100億米ドルに達するという。さらに、自動車や医療、監視/モニタリング、スマートフォンといった分野で採用が進むことにより、2020年までには160億米ドルに成長すると見られている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シリコンに代わる材料を用いたCMOSイメージセンサー、8Kカメラの高感度化を実現
NHK放送技術研究所が「技研公開 2014」で披露しているCMOSイメージセンサーは、光電変換部にシリコン以外の材料を用いている。シリコンよりも光を吸収する結晶セレンだ。従来の表面照射/裏面照射型CMOSセンサーはその構造上、高感度化を図るのがだんだん難しくなっている。大幅な高感度化には、新たな材料を採用することが必要だ。 - ソニーがCMOSイメージセンサーの生産能力を増強、長崎と熊本に350億円を投資
ソニーは、積層型CMOSイメージセンサーの生産能力を増強すべく、ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンターと熊本テクノロジーセンターの製造設備に約350億円を投資する。イメージセンサーの総生産能力を約7万5000枚/月に増強する中長期的な施策の一環である。 - 曲がる有機イメージセンサー、医療からセキュリティまで幅広い分野に応用
有機光エレクトロニクスセンサーを手掛けるフランス企業と、ディスプレイ開発を手掛ける英国企業が共同で、フレキシブルな有機イメージセンサーを開発すると発表した。同イメージセンサーは、医療機器から指紋認証まで、さまざまな用途に適用できるとしている。 - 車載CMOSセンサーで「業界初」の裏面照射型、オムニビジョンがADAS向けに開発
OmniVision Technologies(オムニビジョン)が、車載CMOSセンサーでは「業界初」(同社)となる裏面照射型の製品「OV10640」と、OV10640のコンパニオンプロセッサ「OV490」を発表。バックモニターやサラウンドビューに加えて、先進運転支援システム(ADAS)に最適だとする。 - サムスンの3次元NAND、3ビット/セルの128G品が出荷間近
Samsung Electronics(サムスン電子)が2013年に発表した、3次元構造のNANDフラッシュメモリ「V-NAND」。3ビット/セルの128Gビット品を、間もなく出荷する予定だという。2015年には、256Gビット品も発表できるとしている。