ニュース
ルネサス、28nm世代混載フラッシュ技術を改良――順調に進む次世代車載マイコン開発:プロセッサ/マイコン(3/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2015年2月25日、28nmプロセス世代の車載マイコン向けに、高速読み出し、高速書き換えを実現する新たな混載フラッシュメモリ技術を開発したと発表した。
車載マイコンに必須の混載フラッシュ――40nmに続き、28nmでも先行へ
ルネサスはこれらの技術を、28nmプロセス技術を用いて4Mバイトプログラム格納用フラッシュメモリと64Kバイトデータ格納用フラッシュメモリを試作。「大容量プログラム格納用フラッシュメモリで業界最速となる200MHz以上、6.4Gバイト/秒の高速読み出し動作を実現した」(ルネサス)。
マイコンへの微細プロセスの適用は、混載フラッシュメモリの微細化対応がカギを握る。フラッシュメモリ非搭載のマイコンは既に28nm世代品化が登場しているが、現在のマイコンの主流となっているフラッシュメモリ搭載品に限ると、ルネサスが製品化している40nm世代品が最先端品とみられる。
特に、プログラムの書き換えニーズの高い車載用途では、フラッシュメモリの混載が不可欠とされている。その中でルネサスは、今回開発した技術についても、40nm世代技術と同様、車載向けフラッシュマイコンから適用する方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサス、2018年に28nm世代フラッシュマイコンを製品化へ
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2014年2月18日、28nmプロセス対応マイコン内蔵用フラッシュメモリ技術を、「世界で初めて開発した」と発表した。 - ルネサス、2015年度内にSOTB採用マイコンを製品化へ――消費電力1/10以下、0.4V駆動品も可能に
ルネサス エレクトロニクスは2015年度(2016年3月期)中にも新型トランジスタプロセス技術「薄型BOX-SOI(SOTB:Silicon-on-Thin-Buried Oxide)」を用いたマイコンを製品化する。同技術を用いることで、0.4Vという超低電圧駆動のマイコンが実現できるという。 - スパンション、2015年に40nm世代マイコン投入へ――マイコン事業強化方針を説明
スパンションは2013年11月18日、都内で会見を開き、2013年8月に富士通から買収したマイコン/アナログ事業に関する事業方針の説明を行い、2015年に40nmプロセスを用いたフラッシュメモリ内蔵マイコンを投入する計画などを明かした。 - クルマよりも規模の大きい“ルネサスの屋台骨・汎用事業”の戦略
ルネサス エレクトロニクスの売上高の約6割は、産業機器/家電/OA機器などの半導体を展開する汎用事業が担う。車載向け半導体事業を上回るビジネス規模を持つ汎用事業を統括する執行役員常務 横田善和氏に事業戦略などについてインタビューした。 - ルネサスが“ARM搭載マイコン”の第1弾製品「RZファミリ」を発売
ルネサス エレクトロニクスは、ARMのCortex-A9を搭載するハイエンドマイコン「RZファミリ」の第1弾製品群のサンプル出荷を開始した。同製品ファミリは、ルネサスとして初のARMコアを搭載したマイコンとなった。