ストレージのフラッシュ化でFC事業好調のQLogic、高速イーサネット市場でも高シェア奪取へ:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
QLogicは、ストレージ機器でのフラッシュメモリ採用の流れを受け、FCアダプター市場でのシェアを拡大するとともに、2014年にBroadcomから買収した転送速度10Gビットを超える高速イーサネットアダプター/コントローラLSI事業の強化を図っている。
Broadcomから約1億4700万米ドルで買収
QLogicが新たに成長を託す事業が、2014年にBroadcomから約1億4700万米ドルで買収した高速イーサネットコントローラ製品事業だ。Broadcomの同事業は、現在の最新世代である10Gbイーサネット向けアダプター、コントローラASICを得意とし、ポート数ベースでの10Gbイーサネット用アダプター/ASICシェアは19%でインテルに次いで2位だとされる(2014年7〜9月期/Dell'Oro調査資料に基づく)。
FCと同様、高速技術でリードしてシェアアップへ
買収、そして高速イーサネットコントローラ市場への参入の狙いについてRampalli氏は、「FCアダプター同様、サーバ、ストレージといった機器向けのインタフェース製品であり、今後も継続的な市場成長が見込める事業領域として参入を決めた」とし、「FC向け事業で成功してきたビジネスモデルで、数年後にはシェアを30%に引き上げ、リーダーの地位を狙う」との方針を示す。
わずか数年で、シェアを大きく高める目標を掲げるが、Rampalli氏は「決して(達成は)難しくない」と言い切る。「10Gbイーサネットの機器搭載率は現状20%程度。これから市場が本格的に立ち上がるわけであり、今後シェアが決まってくる」と逆転の余地が多く残っているとの見通しを示し、「FCビジネスと同様に、先々まで明確な開発ロードマップを示しながら、顧客と密な関係を築いていくことでシェアを伸ばすことが可能だ」とする。
シェア30%「決して難しくない」
実際、QLogicは、イーサネットスイッチ用のASICを手掛けるBroadcomと共同で、10Gbの次世代となる25Gbイーサネット、さらにはその先の100Gbイーサネットの接続動作デモを成功させ、100Gbイーサネットコントローラの製品化にメドが付いたことを公にしている。Rampalli氏は「25Gbの世代では、競合に先駆けて、最初に製品投入していく。それができれば、新たな顧客へのデザインインもスムーズに行え、FCビジネス同様に高いシェアを獲得することが可能だろう」と語っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- データセンターの進化が加速――2014年はInfiniband/ファイバチャネル/イーサネットが一斉に高速化へ
米調査会社は、データセンターのネットワークスイッチとして主に使われているデータ転送技術であるInfinibandとファイバチャネル(Fibre Channel)、イーサネットが、3つともに2014年に高速化されるとの報告書を公表した。データセンターへの旺盛な投資が続く中、先端技術導入の速度も上がっている。 - 「SSDが壊れる」まで(前編)
ノートPCなどのストレージとして急速に市場が拡大しているSSD(Solid State Drive)。その信頼性に対するイメージはHDDと比較されることが多いが、「平均故障間隔」と「年間故障率」の数値を単純に比較すればいいというわけではない。そこで今回は、SSDの寿命にかかわる要素を解説する。 - 1本で10ペタbps伝送!? 新型光ファイバーを開発
情報通信研究機構や住友電気工業などは2015年3月、36コア全てがマルチモード伝搬の新型光ファイバーを開発し、光信号の送受信実験に成功した。 - SSDの標準化に取り組むワーキンググループが発足
- 産業用IoT向けイーサネット規格、「TSN」の普及を目指す
モノのインターネット(IoT)がトレンドになっているのは民生機器分野だけではない。産業機器分野にもIoTをより浸透させるため、拡張版イーサネット規格「TSN(Time-Sensitive Networking)」の普及を目指す取り組みが始まっている。