分光フィルタ搭載のハイパースペクトルカメラ、医療/理美容分野への応用に期待:Photonix 2015
アルゴは、「Photonix(フォトニクス) 2015」で、分光フィルタを搭載したハイパースペクトルカメラなどをデモ展示した。この製品はIMECが開発したもので、医療分野などへの応用が期待されている。
目に見えないシミも検出
アルゴは、「Photonix(フォトニクス) 2015」(2015年4月8〜10日、東京ビッグサイト)において、分光フィルタを搭載したハイパースペクトルカメラや、全方位でリアルタイムに距離測定を可能とするLiDARイメージセンサーなどのデモ展示を行った。
分光フィルタを搭載したハイパースペクトルカメラは、ベルギーのIMECが開発した製品で、光を特定の波長ごとに分光することができるカメラである。ブースでデモ展示したカメラは、2000×1000ピクセルのCMOSイメージセンサー上に、25種類のフィルタ(25バンド)を張り付けている。675〜975nmの波長範囲の中から、各バンドを通過した25種類の画像を一度に捉えることができる。
ハイパースペクトルカメラを用いて検査すると、「特殊なインクを使った印刷物であれば、得られた波長データから、特定の位置に使用されたインクが正規なものであるかどうかを判別することも容易に行える」(説明員)という。また、これからの応用分野として、医療や理美容分野などを一例として挙げる。「手術中に患部を撮影し、特定波長で確認できる悪性細胞の部位のみを検出することが可能となる。また、人間の目では確認できない皮膚のシミを事前に発見するシステムなどへの応用も考えられる」(説明員)と話す。
IMECは、独自の分光フィルタ技術とプロセスを用いて、標準仕様のセンサーチップ以外にも、カスタムフィルタを搭載した特注品にも対応していく予定である。なお、アルゴはIMECで開発された技術/製品のうち、イメージングに関連する領域を日本国内で担当しているという。
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