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体に当てるだけで脈拍などが計測可能に、アルプス電気のウェアラブル近赤外分光センサーMEDTEC Japan 2015

アルプス電気は「MEDTEC Japan 2015」において、体に当てるだけで脈拍などを計測できるウェアラブル近赤外分光センサーや介護ロボット向けのフォースセンサーやBAW式ジャイロセンサーなどを展示した。

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 アルプス電気は、医療機器設計/製造の総合展示会「MEDTEC Japan 2015」(2015年4月22〜24日)において、体に当てるだけで高精度のバイタルセンシングを可能にするウェアラブル近赤外分光センサーや、介護ロボット向けに荷重を検知するフォースセンサーや衝撃、振動に強いBAW(Bulk Acoustic Wave)式ジャイロセンサーなどを展示した。

 ウェアラブル近赤外線(NIRS:Near-Infrared Spectroscopy)センサーは、動脈用と静脈用に、波長の異なる2種類の赤色LEDを2個ずつ、計4個搭載。LEDから近赤外線(波長 700nm〜1000nm)を皮膚に照射し、その反射から脈拍、血液中のヘモグロビン濃度、血中酸素濃度を測定する。これまでも、ヘモグロビン濃度などの測定に近赤外線センサーを用いるケースはあったが、いずれも透過型を使用していて、指にクリップをはめて測定する機器しかなかったという。アルプス電気が開発したウェアラブル近赤外線センサーは、反射型を用いているので、体に当てるだけという低拘束で脈拍などを測ることができるようになる。

 さらに、近赤外線の波長は、緑色LEDの波長(550nm付近)に比べて、水の吸収度が低いため、血液からの反射が、より検知しやすくなるという。加えて、データ解析用のアルゴリズムでは、光産業創成大学院大学と協業し、高精度に脈拍/ヘモグロビン濃度/血中酸素濃度を計測することが可能になったとしている。

 ウェアラブル近赤外分光センサーは2014年11月に米国ワシントンで開催された北米神経科学会議でも高精度、低拘束、小型なことで大きな反響を得た。「民生機器向けとは軸足を変え、新しい分野として大きく育てたい」とアルプス電気担当者は語った。

photophotophoto 左はセンサとCPU、Bluetoothがパッケージングされた製品と計測データの表示画面。中央と右がウェアラブル近赤外分光センサ。(クリックで拡大)

高性能化が進んだ介護ロボット向けセンサー

 ウェアラブル近赤外分光センサーの他、「フォースセンサ」や「BAW(Bulk Acoustic Wave)式ジャイロセンサ」などの介護ロボット向けのセンサーも展示した。

 「フォースセンサ」は縦2.0mm×横1.6mm×高さ0.66mmという「世界最小クラス」(アルプス電気)の小ささで分解用は0.01N。ロボットの足の軸に付けられたセンサーが荷重を計測し、ロボットの姿勢を制御する。参考品として展示した「BAW式ジャイロセンサ」は、BAW式ジャイロセンサーを手掛けるアメリカのクォルトレとの協業で開発された。耐衝撃性、耐振動に優れ、3MHzまでの衝撃に耐えることができる。介護用ロボットのみならず、ドローンなどへの応用も期待される。

photophoto 左がフォースセンサ。右がBAW式ジャイロセンサ。(クリックで拡大)
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ジャイロセンサーのデモ。アルプス電気と他社のジャイロセンサーを並べ、わざと振動を与えて、どのくらい耐衝撃性があるのかを示している。タブレットの画面に映っているドローンの動きが安定していれば、ジャイロセンサーの耐性が高いということ。左側のドローンが、アルプス電気のジャイロセンサーを表わしている
MEDTEC Japan 2015
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