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8×8mm表面実装パッケージ採用、耐圧600VのGaNパワートランジスタパワー半導体 GaNデバイス

パナソニックは、耐圧600VのエンハンスメントモードGaN(窒化ガリウム)パワートランジスタを発表した。小型の表面実装型パッケージを採用しており、実装面積の省スペース化と高速スイッチングを可能とした。

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 パナソニックは2015年5月、耐圧600VのエンハンスメントモードGaN(窒化ガリウム)パワートランジスタを発表した。表面実装型パッケージを採用し、実装面積の省スペース化と高速スイッチングを可能とする。AC-DC電源やバッテリ充電システム、太陽光発電のパワーコンディショナといった用途に向ける。

 新製品は、耐圧600Vで定格電流が10A品の「PGA26E19BV」と、同15A品の「PGA26E08BV」の2製品を用意した。2015年7月よりサンプル出荷を始める。新製品の特長の1つは、GaNパワートランジスタ向けに最適化した、小型の表面実装型パッケージを新たに開発/採用したことだ。


新開発の表面実装型パッケージを用いた耐圧600VのエンハンスメントモードGaNパワートランジスタの外観

 外形寸法が8×8×1.25mmのパッケージDFN(Dual-Flat No-leads)8×8は、従来パッケージのTO220製品(15×9.9×4.6mm)に比べて実装面積は43%と半分以下で済む。高さも大幅に抑えることができた。その上、表面実装型の新型パッケージを採用したことで、スルーホール実装に比べて寄生インダクタンスを大幅に低減することが可能となる。具体的には、寄生インダクタンスは1nH(TO220製品は5nH)となった。これにより、GaNパワートランジスタ本来のスイッチング特性を生かすことができるようになり、新製品では200V/nsのスイッチング速度を実現している。

 また、トランジスタ単体でノーマリオフ特性を実現するエンハンスメントモード対応と低オン抵抗、高品質/低コストを達成するため、6インチシリコン基板と独自のトランジスタ構造を採用した。GIT(Gate Injection Transistor)と呼ぶトランジスタ構造は、シリコン基板上にGaN結晶を形成した際にかかるストレスを緩和する層構造になっている。これにより、クラックが発生しない結晶性を実現している。GIT構造にしたことで、p型ゲートの内部電位がゲート直下の電子を排除するので、エンハンスメントモードを実現できた。

 さらに、電圧印加時にはp型ゲートより正孔を注入することで電子が生じ、大電流を流すことができる。これにより、定格電流が10A品は154mΩ、15A品は54mΩという低オン抵抗を達成した。

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