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ご主人様とメイドはテレパシー通信をしている?江端さんのDIY奮闘記 EtherCATでホームセキュリティシステムを作る(4)(9/9 ページ)

さて、今回はEtherCATのメモリについてお話します。EtherCATのPDO通信、SDO通信は、ご主人様(マスタ)とメイド(スレーブ)は、このメモリを介した“テレパシー通信”によって、完璧なコミュニケーションを実現しています。それを説明した後に、いよいよ、本連載の山場の1つとして、SOEM(Simple Open EtherCAT Master)のデバッグ&トレース環境の作り方を紹介します。

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“週末エンジニア”の存在が、技術革新の原動力に

 技術力に関しましては、礼儀正しく有能な後輩の技術者たちが、プライベートにいろいろとアドバイスをくれます(無礼な上に、全く役に立たない後輩もいますが)。

 資金の援助は得られませんが、ベッコフ社さんのように、面会に応じていただき、機材(EtherCATスレーブなど)を貸していただき、技術アドバイスまでいただける親切な会社あります(もっとも、何回メールをお送りしても、完全に無視されてしまった会社も、沢山ありますどねええええええ)。

 ウィークデーは企業研究員として研究開発をして、ウィークエンドには週末研究員として研究開発をするって ―― 江端ってアホじゃないのか? ――と思われる方も多いかもしれません。

 しかし、私の回りには、こういうエンジニアが結構沢山います。

 そして、その人達の貢献が、現実に、現在の世界の技術を進歩させる、大きな推進力になっていたりするんです。

 このお話は、また別の機会にさせていただきたいと思います。

⇒本連載のバックナンバーはこちら


Profile

江端智一(えばた ともいち)

 日本の大手総合電機メーカーの主任研究員。1991年に入社。「サンマとサバ」を2種類のセンサーだけで判別するという電子レンジの食品自動判別アルゴリズムの発明を皮切りに、エンジン制御からネットワーク監視、無線ネットワーク、屋内GPS、鉄道システムまで幅広い分野の研究開発に携わる。

 意外な視点から繰り出される特許発明には定評が高く、特許権に関して強いこだわりを持つ。特に熾烈(しれつ)を極めた海外特許庁との戦いにおいて、審査官を交代させるまで戦い抜いて特許査定を奪取した話は、今なお伝説として「本人」が語り継いでいる。共同研究のために赴任した米国での2年間の生活では、会話の1割の単語だけを拾って残りの9割を推測し、相手の言っている内容を理解しないで会話を強行するという希少な能力を獲得し、凱旋帰国。

 私生活においては、辛辣(しんらつ)な切り口で語られるエッセイをWebサイト「こぼれネット」で発表し続け、カルト的なファンから圧倒的な支持を得ている。また週末には、LANを敷設するために自宅の庭に穴を掘り、侵入検知センサーを設置し、24時間体制のホームセキュリティシステムを構築することを趣味としている。このシステムは現在も拡張を続けており、その完成形態は「本人」も知らない。



本連載の内容は、個人の意見および見解であり、所属する組織を代表したものではありません。


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