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従来比4倍の大電流動作を実現したGaNダイオード2つのダイオードが混在するハイブリット型

パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、大電流動作と低立ち上り電圧を実現するGaNダイオードを開発したと発表した。より高周波での動作が可能となり、大電力を扱う車載や産業機器の省エネルギー化、小型化に貢献にするという。

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 パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2015年9月30日、大電流動作と低立ち上り電圧を実現するGaNダイオードを開発したと発表した。

SiCショットキーダイオードの約4倍

 同ダイオードは、低立ち上り電圧のショットキーダイオードと、大電流動作のPN接合ダイオードの特徴を生かし、それぞれが混在するトレンチ構造にしたことで実現。同じ耐圧のSiCショットキーダイオードの約4倍となる7.6kA/cm2の高電流密度を実現し大電流動作を可能にした一方で、立ち上り電圧は0.8Vに抑えた。

 これにより、チップの容量を小さくし、スイッチング損失を低減でき、より高周波での動作が可能になる。大電力を必要とする車載、産業機器の電圧回路やインバータ回路に使用することで変換効率が向上でき、省エネルギー化、小型化に貢献するという。


今回開発されたGaNダイオードの断面写真 出典:パナソニック

従来比約50%減のオン抵抗

 同ダイオードのオン抵抗は従来比50%減の1.3 mΩ・cm2

 従来のGaNダイオードは、サファイアやSiといった異種基板上に形成していたため、絶縁下地層を介してデバイスを形成する必要があった。そのため、横方向に電流を流す構造にする必要がある。その構造では電流経路が長くなるので、デバイスの直列抵抗が大きくなる傾向があり、大電流を流す用途のデバイスでオン抵抗の低減には限界があった。

 今回開発されたダイオードは、低抵抗な導電性GaN基板上に形成し、基板全体に縦方向の電流を流す構造を採用することでオン抵抗の低減を実現した。ダイオードを流れる電流による通電損失を低減できるため、機器の省エネルギー化が可能になるという。

 なお、同ダイオードの開発は環境省からの委託業務「未来のあるべき社会・ライフスタイルを創造する技術イノベーション事業」の一環として実施されたものである。

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